ますます混迷を極める大学入試改革。大学受験目前の受験生はともかく、小学生を持つ親御さんにとってもこれからどんな教育をしていったらいいのか悩むところ。
「AERA with Kids 秋号」では、中学受験に詳しい算数教育家・中学受験専門カウンセラーの安浪京子さんと、教育実践ジャーナリストの矢萩邦彦さんに、今、親はどんな心構えをもつべきか、そして中学受験を控えるご家庭へのアドバイスもお聞きしました。ここでは、その対談の一部をご紹介します。
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安浪:2020年度からの大学入試改革、なにかと話題になってますね。
矢萩:そうですね。内容の是非はいろいろ言われていますが、実は今回の教育改革、今までの教育改革とは決定的に違うところがあるんです。
安浪:それはどんなところですか?
矢萩:今までの教育改革は、一言でいえば「戦後復興のための教育」を少しずつ修正してきたものでした。しかし今回の教育改革は、社会からの要請があった、ということ。つまり、企業側から「今の教育を受けてきた人材は使いにくいですよ。だから、教育を変えてください」と教育界に要望があった。
安浪:今の時代に合ってない教育じゃないか、と気づかれ始めたんですね。
矢萩:そうなんです。社会はいろいろ劇的に変わってきていますからね。社会背景の変化については、いくつか要因があると考えています。一つ目は、リーマンショックや震災など、予測不可能な事態が重なってきたこと。不測の事態に柔軟に対応できる人材育成が急務になりました。二つ目は、AIの台頭とシンギュラリティー(技術的特異点)問題があらわになってきたことです。
安浪:2045年には、AIが人間の知能を超えるほど技術が進むとされる指摘ですね。
矢萩:今後20年で、多くの職業がAIに取って代わられるといわれていますね。研究者の間では、そんな劇的には変わらないよという考えの人もかなり多いのですが……。新しい展開としては、これまではブルーカラーの仕事が取って代わられると考えられていたのが、いや実はホワイトカラーの仕事も奪われるのではないか、と予測されるようになったことです。PC上の作業はもちろん、事務的な作業のいくつかは、すでにソフトウェアロボットによって実現可能になっていますから、当然といえば当然の流れですね。
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