平成時代から令和時代への転換期に、小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」2019年5月号では「天皇と日本の歴史」を大特集。世界の国王や王族について調べてみた。

*  *  *

■国の“顔”として活躍

 現在の世界で、日本の天皇のように親から子へと代々受け継がれる君主がいて、その一族を含めた王室・皇室を持つ国は28カ国ある。

 このうち、君主が自分の思いのままに政治を動かせる絶対君主制に近い国は、ブルネイ、エスワティニ、バーレーン、カタール、サウジアラビア、オマーン、アラブ首長国連邦くらいだ。それ以外の国は、日本と同じく君主の力は憲法で制限され、政治は議会や政府によって行われる。そんな中で、各国の国王や王族たちは、日本の天皇と同じように、国の“顔”としてさまざまな活動を行い、国民から慕われている。

<絶対君主制>
君主が絶対的な権力を持ち、憲法などでその権力が制限されない統治形態。

【イギリス】
<92歳の女王陛下も「インスタ」投稿!>
 イギリス王室は、国民の声に耳を傾けて、時代や状況に応じて柔軟に変化している。王室の公式ツイッターやフェイスブックを設けて、女王や王室の日々を積極的に発信。今年3月には、92歳のエリザベス女王がインスタグラムに初投稿して話題になった。

※カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどは、以前、イギリスの植民地で、独立後も独自の国王を立てず、イギリス国王を自国の王としている。こうした国をイギリス連邦王国といい、カナダなど、硬貨にイギリスの女王・エリザベス2世の肖像が描かれている国もある。

【ノルウェー】
<国王親子2代、ヨットで五輪出場>
ノルウェー国王は親子2代でヨットの五輪選手。現国王のハラルド5世は皇太子時代、1964年の東京五輪にも出場し、開会式ではノルウェー選手団の旗手(左上の写真)も務めた。父のオラフ5世(91年死去)は28年のアムステルダム五輪(オランダ)の金メダリストだ。

次のページへ
著者 開く閉じる
AERA編集部
AERA編集部
1 2