中学受験はすべてが終わってから、やっとその全容が見えるといいます。合否に関わらず、「やってよかった……」と思えることもあれば、「つらかった。もう二度とやりたくない……」と感じることも。

「AERA with Kids秋号」(朝日新聞出版)では、そのホンネを探るべく、中学受験専門カウンセラーの安浪京子先生と、実際に子どもの中学受験を経験した保護者3名の方との「本音トーク」の座談会を企画しました。「みなさん、お子さんの中学受験では、かなりのエネルギーを注いだ方ばかり」と安浪先生お墨付き!?の3名。今、中学受験真っ最中のご家庭も、今後中学受験を考えているご家庭も参考になることが多いはず。

※「中学受験で子どもとの関係が最悪に… 経験者が乗り越えた方法とは?」よりつづく

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安浪:実際にみなさんが、どのように子どもの受験に寄り添い、伴走したのか、具体的にお聞きします。Sさんはお父さんとして、お嬢さんの受験への関わりがすごかったですね。

Sさん:いやいや。だってやる以上は負けられないでしょ。競争なので。娘は5年生のときに塾で一番下のクラスに落ちてしまいました。でもそこに若いけどすごくいい先生がいらしたんです。だから「あの先生の弟子になるくらいやらなきゃダメだ」って娘を叱咤激励して。先生の空いている時間を聞いて「娘と行くから教えて」とお願いして塾に行きました。土曜日も娘と塾通いです。私は親が口だけ出して、子どもひとりにやらせるというのは無責任なことだと思ったんです。だから、いつも付き添いましたし、家ではせっせと過去問を解いていました。難しくて「なんじゃこりゃー」と叫びながら(笑)。あと、娘の担任ではないけれど、すごくいい先生に採点してほしかったので、娘の解答用紙を封筒に入れて、直接塾に持って行き、「先生、申し訳ないけど、これの丸つけをしてください」って頼んだこともありました。とにかく「いい先生」を味方につけたかったんです。

Hさん:すごい! よく「塾の先生をうまく利用しよう」と言うけれど、そこまでやっていいんだと、今、初めて知りました。

Sさん:そして京子先生にも、ぜひ教えていただきたくて。先生のホームページを隅から隅まで見て、先生の「中受カフェ」には何回も行きましたよ。当時、ここに来るのはお母さんばかり。父親は私ともう一人くらいでしたけど。

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AERA編集部
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