仕事関連の連絡など、スルーしたくてもできないケースも。デジタルデバイスとの付き合い方を見直して、ストレスをためない生活を心掛けよう(撮影/写真映像部・高野楓菜)
仕事関連の連絡など、スルーしたくてもできないケースも。デジタルデバイスとの付き合い方を見直して、ストレスをためない生活を心掛けよう(撮影/写真映像部・高野楓菜)

 オンラインで、友人知人といつでもつながれる世の中になった。だが、あまりに面倒なやりとりに“スルー願望”を募らせる人も少なくない。AERA 2023年4月17日号の記事を紹介する。

*  *  *

 中学時代の友人(45)が電撃結婚し、当時の仲良し5人で結婚祝いを贈ろうとメッセンジャーのグループチャットが作られた。「予算はひとり1万円くらい?」「低温調理器はどう?」「ル・クルーゼの鍋も素敵だよね」など、投稿やリアクションが相次いだのだが……。

「よく言えば平等、悪く言えば堂々巡りで」とため息をつくのは、グループチャットに参加していた女性。20年近くリアルでは会っておらず、遠慮があるからか、だれもが決定打を放たない。女性はちょうど仕事が繁忙期。3時間ほど放置していたら、女性のリアクション待ちでやり取りはストップしていた。「ごめん!」と投稿すると、すぐに「いいね!」が四つついた。

■返信が「めっちゃ面倒」

 オンラインで、友人知人と簡単につながれる世の中になった。ワンオペ育児中のシングルマザーは「だれかとどうでもいい会話をしたくなる時、ママ友のグループLINEに投稿して反応があると『ひとりじゃない』とうれしくなる」。

 一方で、「私の反応なんてスルーしてどうぞ次にいって」的な気持ちを抱いたことがある人も少なくないのではないか。

 大きくうなずくのは、兵庫県出身、東京在住の女性(39)。長い海外赴任を終え帰国したという友人からFacebookを通して「元気?」と連絡があった。久しぶりに会おうと東京在住組6人で食事。そのとき、高校時代の同級生有志40人ほどのグループLINEがあることを話したら、「私も入りたい」。グループLINEができたのは数年前で、現在はほぼ稼働していないと伝えたが、彼女は招待されるやいなや「今度神戸に帰るのでだれか一緒に飲みましょう!」と投稿。案の定、「既読」となってもスルーされまくりで……。

「『なんで反応してくれないんやろう』っていう話を、私たち6人のグループLINEにしてくるんです。内容が内容だけにみんないちいち返しているんですけど、めっちゃ面倒。正直、私のことはスルーしてほしい」

次のページ