現在の核兵器は広島・長崎の1千倍以上 核兵器禁止条約の発効で「絶対悪」のルールを (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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現在の核兵器は広島・長崎の1千倍以上 核兵器禁止条約の発効で「絶対悪」のルールを

武田肇AERA#ジュニアエラ
2020年11月9日、被爆地の長崎で、アメリカ大統領選挙で国際協調路線を掲げる民主党のバイデン氏の当選が確実となったことを喜ぶ、座り込み参加者たち。日本にも核兵器禁止条約への参加を求め、横断幕を掲げた(写真/朝日新聞社)

2020年11月9日、被爆地の長崎で、アメリカ大統領選挙で国際協調路線を掲げる民主党のバイデン氏の当選が確実となったことを喜ぶ、座り込み参加者たち。日本にも核兵器禁止条約への参加を求め、横断幕を掲げた(写真/朝日新聞社)

 核兵器は、人として守るべき道に合わず、違法だ─―。こう定めた初めての国際条約である核兵器禁止条約が、2021年1月22日から効力を持つことになった。世界の50カ国・地域が条約に同意する手続きの「批准」をしたためだ。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」1月号は、この核兵器禁止条約について解説した。

*  *  *
 世界にはいま、約1万4千発の核兵器がある。そのうちの約9割が、アメリカとロシアのものだ。アメリカは1945年7月に初めて核実験を行い、同年8月に、広島と長崎に原爆を投下した。現在の核兵器はその1千倍以上の威力があるとされる。使い方次第では、人類を絶滅させることもできる。

 核兵器禁止条約が画期的なのは、核兵器について、「すべてなくすことこそが、二度と使われないことを保証する唯一の方法だ」とうたい、核兵器のあらゆる開発や実験、生産、保有、使用を禁じたことだ。

 これまでも核兵器は、野放しだったわけではない。70年に発効した核不拡散条約(NPT)は、世界の191カ国・地域が加盟し、核兵器が世界に広がらないようにする歯止めの役割を担ってきた。

 ただ、NPTは核兵器を違法とはしていない。60年代までに核兵器を手にした米ロ英仏中の5カ国には保有を認め、それ以外の国には保有を禁じるという内容だ。核を減らすための軍縮交渉を義務づけてはいるが、実際には核はなかなか減らず、核を持たない国から「不平等だ」という批判が上がっていた。また、NPTではインドやパキスタン、イスラエル、北朝鮮が核を持つことも防げなかった。

 一方、核兵器禁止条約は発想が異なり、核兵器を全面的に禁止する。「核兵器の保有をちらつかせることで、相手に攻撃を思いとどまらせる」という「核抑止」についても威嚇(脅し)にあたるとして禁じている。

●アメリカなどの核保有国や「核の傘」に依存する日本は未署名

 しかし、これで核兵器廃絶が大きく進むかといえば、そう単純ではない。


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