ICAN等は次の目標を、国連加盟国の半数を超える「100カ国・地域の批准」と定めている。批准国が増えれば、核保有国への風当たりが強まるからだ。今後、世界で核廃絶を求める世論がどこまで高まるかがポイントになりそうだ。

【核の傘】
核保有国が核を持たない同盟国に対し、核攻撃を受けた場合には自国の核兵器で報復することを約束し、安全を保障すること。アメリカは、日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する欧州諸国など同盟国に加えられた攻撃は、アメリカへの攻撃と同様にみなして報復するとの保障を与えている。

【国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」】
核兵器禁止条約の成立をめざし、国連での条約の採択や、各国政府に署名・批准を促すロビー活動を行う国際的なNGO(非政府組織)の連合体。2017年にノーベル平和賞を受賞。30代の女性が事務局長を務めるなど、若い世代が活動の中心を担う。

(朝日新聞大阪本社社会部・武田肇)

※月刊ジュニアエラ 2021年1月号より

ジュニアエラ 2021年 01 月号 [雑誌]

ジュニアエラ 2021年 01 月号 [雑誌]
著者 開く閉じる
武田肇
武田肇
1 2 3