学校の宿題以外におうち勉強をするときに、子どもが夢中になれるもの、学ぶことそのものを楽しんでくれるものが理想ですが、いざ与えてみてもなかなか子どものモチベーションが上がらず、悩む親も多いかもしれません。そこで、「AERA with Kids夏号」(朝日新聞出版刊)では、「受験指導×探究型学習」をコンセプトにした統合型学習塾「知窓塾長」の矢萩邦彦さんに、子どもの「探究心」に火がつく教材を取材。探究的な学びとはどういうことか? また、好奇心を刺激するしかけがたくさん詰まった教材をご紹介します。

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「物事のいちばん初め(原初)を知りたい。どうやってできたのか? なぜつくられたのか?」と考えることが探究の始まりです。

 子どもは「もっと知りたい」と思えば何も言わなくても自分から進んで学ぶようになります。今回、それが期待できるような教材を選出しました。手に取った教材はどれも、ワクワクしながらページをめくることができるはずです。

 例えば新出漢字が出たとき、学校では書き順をなぞって、ノートに漢字を10回書くといった指導をすることが多いですよね。しかし、それでは「使える言葉」を獲得する学びにはなりません。そこからもう一歩踏み込んで、漢字に隠された意外な意味や成り立ちについて知ることができたら、もっと漢字について興味がわくと思いませんか。5、6年生になると、漢字の語源に興味を持ち始める子も多くなるので、そのタイミングで探究心をくすぐる教材を使うのがよいでしょう。

 また、社会科において現代社会のさまざまな問題を学ぶとき、地理的な視点、歴史的な視点を同時にとらえる力が求められます。塾で指導するときは地図帳と併用して「Google Earth」を利用しています。たとえば、自分が住んでいる町を調べる場合、地球→アジア→日本→東京→住んでいる市区町村といったように、じわじわ近づいていくようにします。そうすることで、頭の中に地理感覚が養われ、平面上の地図を読む方法を身につけることができるようになります。地理に苦手意識を持っている子にぜひ実践してみてください。

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黒澤真紀
黒澤真紀

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