新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大きく変化を迫られている学びの現場。学校では、家庭ではどんな対応をしているのか、AERA with Kids編集部が継続的にリポートしていきます。2回目は、東京都の私立学校・芝中学校・高等学校のクラブ活動の様子を、顧問の寺西幸人先生に伝えていただきます。

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 安倍首相から小中高学校への休校要請があったのは、2月27日のこと。
突然の発表に、教育関係者や保護者には動揺が広がり、卒業を前にした子どもたちはショックを受けた一方で、その他の子どもたちは大喜びしたり……。

 いろいろな反応がありつつも、4月の新学期からは学校は再開されるだろう、と思っていた人も多かったのではないでしょうか。

 しかし私はその時点で、3月はおろか、4月、5月も休校は続くだろうと感じておりました。仮に学校へ登校できたとしても、クラブ活動は行わずに帰宅をせよ、というような、ありがちな判断になるのではないか、と感じていました。

 そこで、私はすぐに顧問をしている「技術工作部」の部員を招集し、今後のクラブ活動のあり方を話しました。

 そこで出た結論は「リアルでクラブ活動を続けるのは難しい。サイバー空間へ引っ越そう」というものでした。

 私が顧問を務める「技術工作部」とは、おもに「乗車できる乗り物を作るのが得意なクラブ」で、「船舶飛行機班」「鉄道班」「自動車班」に分かれています。

 どれも大がかりな「製作」になるので、多額の資金が必要です。

 著作権者から許諾を得て「きかんしゃトーマスシリーズ」を製作する「鉄道班」は、イベント会場で「トーマス」の運転を請け負ったり、同じような乗車型鉄道模型の製作をはじめる方々へキットを販売したり、客車や線路の部品などを提供しています。

 その他にも、依頼物を製作し、納品することもあります。

「船舶飛行機班」は自分でつくったカヌーを海で乗船するイベント「手造り船舶カーニバル」向けのキットなども製作して卸しています。

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AERA編集部
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