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AI導入が加速する予備校 学びを科学し、採用難も解消できる理由とは

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石臥薫子AERA
AERA 2020年3月30日号より

AERA 2020年3月30日号より

AI教材の「atama+」では、一人一人に合わせた講義動画や練習問題が提示される(写真:アタマプラス提供)

AI教材の「atama+」では、一人一人に合わせた講義動画や練習問題が提示される(写真:アタマプラス提供)

 城南予備校を運営する城南進学研究社は、従来の集団授業を今年3月末までに全てやめ、AI先生と人間の講師によるコーチングという新しい形態に全面移行する。AI教材の「atama+」では、一人一人に合わせた講義動画や練習問題が提示されるという。AERA 2020年3月30日号から。

【AI教材「atama+」の写真はこちら】

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 なぜ予備校は雪崩を打つようにAI導入に動いているのか。理由の一つはAI学習の効果を実証するデータが揃ってきたことだ。駿台では18年から中学部・高校部で先行してatama+を導入。学力レベルが高い高3生でも、4カ月間教材を利用した生徒では、偏差値が平均で3近く上がったという。

 AI教材ではどの教科・単元をどれだけ勉強したか、個人別のデータも蓄積される。それを使って「学びを科学できる効果も大きい」と話すのは、城南進学研究社の千島克哉COO。城南予備校DUOでは中高生74人を対象に調べたところ、学校の試験前の45日間に、atama+で合計1千分以上勉強した生徒は全員成績がアップ。800分未満だった生徒の41%は成績が伸び悩んだ。

 AI導入が加速するもう一つの理由は講師の採用難だ。

 千島さんによれば、18歳人口の減少と個別指導ニーズの高まりでアルバイトの大学生講師の採用コストはここ3、4年で4倍に上昇、今後は10倍にまで跳ね上がると見られているという。

 ベテラン講師の授業を強みとしてきた駿台も、特に理数科目の採用難に悩む。EdTech(エドテック)事業担当の小澤尚登さんによれば、昔は大学の数学科を出ても就職の選択肢がそれほどなかったために予備校に優秀な人材が来てくれた。だがいまや数学の専門人材はAI・IT人材として引っ張りだこだ。

「上位層の生徒には、アカデミックなバックボーンがないと太刀打ちできません。採用難でも、レベルを落とすわけにはいかないのが悩ましい」(小澤さん)

 AI先生がそれほど成績アップの効果があり、人材難解消にも役立つのなら、もう講師は要らないのでは? そんな疑問も湧くが、答えはNOだと関係者は口を揃える。「AIは現段階では人の心までは動かせないから」(同)だ。逆に言えば講師は、教えること以上にメンタル面でのケアやモチベーションを引き出すことが重要な役割になっていく。


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