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クルーズ船の集団感染に政府の判断ミスも 専門家「医療の歴史に残る一大事故」

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福井しほ,小田健司AERA
停泊する大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号=2020年2月14日 (c)朝日新聞社

停泊する大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号=2020年2月14日 (c)朝日新聞社

 新型コロナウイルスの集団感染が発生した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」。感染拡大の背景として、対応上の不手際も大きいという。感染の理由やウイルスについて現状から類推できることを、複数の専門家に聞いた。(※本記事は14日に取材し、その時点の情報に基づいて執筆しています)

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 2月に入り、国内で新型コロナウイルス感染の報告が相次いでいる。2月13日、都内でタクシーを運転する70代の男性が新型コロナウイルスに感染していたことがわかった。男性は中国からの観光客などを乗せていたという。さらに同日、この男性の神奈川県の80代の義母が死亡、和歌山県では50代男性医師の感染が、この原稿を執筆している14日には和歌山の70代男性、沖縄県の60代のタクシー運転手女性の感染などが報告された。

 昨年12月31日に世界保健機関(WHO)に新型ウイルスが報告されてから1カ月半。武漢市を中心に広がった感染者は、厚生労働省の発表をもとにアエラが集計したところ、13日までに確認されているだけで、中国以外の世界27の国と地域で568人にのぼる。

 現実のものとなったパンデミックに、新型ウイルスへの不安は広がるばかりだ。

 当初3711人が乗船していた大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」では、乗員乗客あわせて218人もの感染者が確認された(13日現在)。同船が横浜に入港したのは3日だった。その後感染者が出たため停泊していたが、加藤勝信厚生労働相は、13日、重症化リスクが高い高齢者らを優先的に下船させる方針を明らかにした。

 クルーズ船内の感染者数は、新型ウイルスの強い感染力を裏付けているようにも見える。

 だが、感染拡大には、対応の不備もあると専門家は指摘する。医療ガバナンス研究所(東京)理事長の上昌広医師は、クルーズ船をめぐる政府の対応を批判する。

「乗員乗客をすぐに全員検査するべきでした。イタリアでは同じようなクルーズ船(コスタ・スメラルダ号)が12時間くらいで乗客を解放しており、対応がまったく違いました。誰でも検査するロジスティクスを国がするべきでしたが、検疫は高度専門技術であり、感覚がわからなかったのでしょう」

 今回の措置は「医療の歴史に残る世界の一大事故」だという。


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