AERA 2019年8月26日号より
AERA 2019年8月26日号より
AERA 2019年8月26日号より
AERA 2019年8月26日号より

 消費増税を前に、駆け込みリフォームを考える人も増えている。そこで悩ましいのが「施工業者選び」だ。同じリフォーム会社でも、大手に依頼すると中小の3倍もの費用がかかるとも言われているが、メリットもある。損しないリフォームのコツと、大手に依頼するメリットを徹底解明する。

【リフォームにかかる費用ってどのくらい?】

*  *  *

 大手か、中小か。業者選びは、品質の確かさとブランド力にどこまでお金を払うかが基準の一つになる。住宅ジャーナリストの山下和之さんは言う。

「小規模会社は担当者と顧客の相性も大事なので、事前の見積もりや打ち合わせを重ねましょう。人間的にも信頼できると思えたら正式に頼むという慎重さが必要です」

 大手に頼む利点の一つは、スケールメリットだ。大手は同じ部材を大量に仕入れることで原価を下げられる。山下さんが裏事情を教えてくれた。

「たとえば大手が有名メーカーのトイレやキッチンを何百台と仕入れたら、1台あたりの単価は安くなりますよね。定価100万円のキッチンを30万円で仕入れるケースも珍しくありませんので、こういった部材を小規模リフォーム会社よりお得に買えることがあります。各メーカーのカタログに価格は記載されていますが、この数字は飾りのようなもの。リフォーム会社によって仕入れ値も売り値もかなり異なるのです」

 リフォームというと、最初の見積もりからどんどん上がっていくイメージを持つ人も多いせいか、最近は定額制リフォームも浸透してきた。「新築そっくりさん」(住友不動産)、「マルム」(ミサワホーム)など大手各社がサービスを提供しており、「三菱地所のリフォーム」の「リディア」もその一つ。三菱地所ホーム リフォーム第二事業部の開發孝徳さんに聞いた。

「住まいの広さでベースの価格が決まりますが、70平米のマンションで498万円~、戸建てにも対応します。専門のインテリアコーディネーターによるカラースキーム提案も好評です」

「三菱地所のリフォーム」では、1台の室内機ですべての部屋の室温を調整できる「エアロテック」という全館空調システムが人気。こういった最新技術を自宅に取り入れたい人は大手が選択肢に入る。

次のページ