北方領土問題「米軍駐留」も阻害要因 駐日ロシア大使が語る (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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北方領土問題「米軍駐留」も阻害要因 駐日ロシア大使が語る

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大平誠AERA
インタビューに応じるミハイル・ガルージン駐日ロシア連邦特命全権大使。日本は、少年時代に初めて触れた外国だった。「長い歴史と豊かな文化があり、ロシアに似ている日本が好きです」と語る(撮影/植田真紗美)

インタビューに応じるミハイル・ガルージン駐日ロシア連邦特命全権大使。日本は、少年時代に初めて触れた外国だった。「長い歴史と豊かな文化があり、ロシアに似ている日本が好きです」と語る(撮影/植田真紗美)

ロシアのプーチン大統領(右)との共同記者発表に臨む安倍晋三首相=2019年1月22日、モスクワのクレムリン (c)朝日新聞社

ロシアのプーチン大統領(右)との共同記者発表に臨む安倍晋三首相=2019年1月22日、モスクワのクレムリン (c)朝日新聞社

北方領土問題(AERA 2019年4月1日号より)

北方領土問題(AERA 2019年4月1日号より)

──平和条約締結のための環境づくりで他に重要なことはなんでしょう。

 日ロ双方にとって受け入れ可能な条件づくりの作業を進めるために最も重要なことは、他の世界各国と同様に日本が第2次世界大戦の結果をそのまま認めることです。そこには当然、南クリル諸島(北方領土)が合法的にソ連、ロシアに引き渡されたということが含まれます。

 その背景に何があるかといえば、ソ連は英米と同盟を組んでナチスドイツとその同盟国と戦い、勝利した。残念ながらその敗戦側に日本があった。そして我々はナチスドイツとの4年間の戦いで2700万人の国民の命を失い、国民の財産の3分の1を失ったのです。

 そうした歴史にもかかわらず、我々は4島に対する日本国民の感情を尊重しています。ビザなし交流や墓参、4島の水域での安全な漁業操業を求める感情も理解しています。だから日本のみなさんにも我々の感情を尊重していただきたいのです。

──日本側の使う「北方領土」や「返還」という用語にも抵抗がありますか。

 もちろんです。我々からすると聞きづらい言葉です。56年の宣言にもある通り「引き渡し」がしっくりきます。日本の希望に応えて、ロシア側から善意のジェスチャーとして引き渡すという趣旨の表現です。そのためには今と全く違う環境を作らなければできないと思います。

(編集部・大平誠)

AERA 2019年4月1日号より抜粋


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