「日本ではオチまで計算してトークやネタをしますが、そうではなく何をやっても周りのメンバーがフォローしてくれるので、恐れずに何でもやれという精神が日本にはないなと思いました」

「そんな米国の即興コメディーのスタイルと吉本芸人を掛け合わせたらどうなるか?」という発想でセカンドシティのトレーナーを招き訓練を積み、2014年に初公演。当初はいわゆるツッコミがないので心配だったが、やってみると予定調和ではない笑い、「こんなところで笑いが起こるんだ」といった発見があった。

「急に違う話の展開を投げ込むストーリー構築力、顔の表情、パフォーマンス力……完全即興の舞台でも、笑いを取る方法は色々あるんです」(神夏磯さん)

 完全即興なので、出演者自身も予想していない展開になる。

「即興はスキルが高いメンバーでやらないと、同じシーンでもおもしろくなくなるんです。芸人さんたちは瞬発力が大きな武器なので、台本があるライブよりも、毎回違う展開になる即興ショーに今後もハマっていくんじゃないかと思います」

 15年5月、本場・シカゴのセカンドシティの舞台に立った際も「めちゃめちゃウケていた」(神夏磯さん)という。3月11~17日、大阪公演が予定されている。(編集部・小柳暁子)

AERA 2019年3月18日号