家族がいても孤独…本音を押し殺してサバイブする50代女性 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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家族がいても孤独…本音を押し殺してサバイブする50代女性

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野村昌二AERA
家族類型別世帯割合の変化(AERA 2018年9月3日号より)

家族類型別世帯割合の変化(AERA 2018年9月3日号より)

孤独だと感じるようになったきっかけは(AERA 2018年9月3日号より)

孤独だと感じるようになったきっかけは(AERA 2018年9月3日号より)

 愛する家族や身内との別れが「孤独」を生む。しかし、たとえ家族がいても孤独を感じる人は少なくない。孤独とは何か――。人生100年時代。ひとごとではない、孤独について考えた。

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*  *  *
 今日も、亡き妻の遺影に語りかける。

「暑かったね」

 東京都に暮らす小川圭一さん(71)。最愛の妻・のり子さんは笑っているだけだ。

「たとえようのない孤独を感じます」

 そう心情を吐露する小川さんは2016年3月、のり子さんをがんで亡くした。享年71。

 音楽関係の仕事に就きアマチュアでコーラスを楽しんでいた小川さんが、2歳年上でプロのスタジオシンガーだったのり子さんと結婚したのは29歳のとき。仲がよく、仕事も趣味もボランティアもいつも一緒。40年近く、手を携え、時を刻んできた。

 妻が亡くなり2年5カ月。クリスチャンでもある小川さんは、教会や音楽仲間など「SOS」を出す場はあり人もいる。胸の痛みも少し和らいできた。

「でもね」

 と、小川さん。

「今も部屋に帰ると一人。そういう時は、もうやるせなくて」

 とりわけ黄昏時の寂しさはたまらない。遺影と対話していると、自然と涙が頬を伝う。

 長男(40)夫婦が近くに住んでいるが、月に1度会う程度。家に一人でいると寂しくてたまらなくなるので、日中はできるだけ外出して人と会うようにしている。妻の死後、月に1度の子ども食堂をボランティアで手伝い、週2回はデイサービスの送迎ドライバーも始めた。それでも心の隙間は埋まることはないと、小川さんは言う。

「生きている限り、孤独を抱えていくしかないと思っています」

 人生100年時代――。長生きする分、死別や離別は確実に増え「孤独」はより身近になってきた。家族類型別の世帯割合は、2010年の国勢調査で「単独」が占める割合が30%を超え、「夫婦と子」を逆転、最もポピュラーな形態になった。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、40年の「単独」の世帯割合は約40%に上る(グラフ参照)。


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