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“留学ビザ”でも目的は“労働” 増え続ける外国人留学生たちのシビアな現実

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澤田晃宏AERA#安倍政権

外国人留学生でにぎわう相談会。日本語教育振興協会の調査によれば、日本語学校を修了した留学生の76%が進学する。進学先は専門学校が最多の57%だという(撮影/編集部・澤田晃宏)

外国人留学生でにぎわう相談会。日本語教育振興協会の調査によれば、日本語学校を修了した留学生の76%が進学する。進学先は専門学校が最多の57%だという(撮影/編集部・澤田晃宏)

国籍・地域別在留外国人数の推移(AERA 2018年8月6日号より)

国籍・地域別在留外国人数の推移(AERA 2018年8月6日号より)

外国人労働者には留学生も多い(AERA 2018年8月6日号より)

外国人労働者には留学生も多い(AERA 2018年8月6日号より)

 安倍政権は外国人労働者の受け入れ拡大に向けて動きを早めている。7月24日に最初の関係閣僚会議を開いた。年内に対策をまとめる方針だ。だが、現実は、はるかに先をいく。そして、深刻な人手不足が拍車をかける。

【図表で見る】国籍・地域別在留外国人数の推移

*  *  *
 視界に入る外国人の姿を点で結び、地図なしで会場に着いた。7月18日、東京・新宿であった外国人留学生向けの専門学校進学相談会(東京都専修学校各種学校協会<東専各>主催)には1430人が参加した。この時期は同様のイベントが各地であり、日本語学校に通う外国人留学生でいっぱいだ。日本語学校は最長2年間だが、日本企業が求める日本語能力を非漢字圏の学生が身に着けるのは難しい。専門学校や大学に進学してさらに日本語能力を伸ばし、就職を目指す。東専各事務局長の真崎裕子さんは話す。

「多くは中国、韓国、台湾でしたが、2014年あたりからベトナム、ネパールの留学生が増えています」

 7月、群馬県の専門学校を訪ねた。

 大学全入と言われる時代に直近5年間で学生数が23倍、入試倍率は1.5倍だ。群馬県庁の目と鼻の先に校舎を構えるその学校の名前は、NIPPONおもてなし専門学校(前橋市)。実習中心にホテルや介護現場で学ぶおもてなし学科に、今年から和食を学ぶおもてなし調理学科が加わった。

 13年4月に開校し、現在の学生数は553人。日本人の学生は一人もいない。国籍別に見ると、ベトナム人が202人、ネパール人が189人、スリランカ人が84人など、合計16カ国からの学生が共に学んでいる。

 学生募集担当の高山浩貴さんは「日本人のなかでも群馬県の知名度は低いのに、外国人が知っているはずがない」と自嘲するが、なぜこれだけの外国人留学生が群馬に集まるのか。鈴木良幸校長は迷いなく即答した。

「彼らの目的は日本で働くこと。その意志に応える教育がここにある。就職という出口を準備することが重要だ」

 授業を見学すると、日本文化やパワーポイントの使い方を教えるクラスや、調理実習や採用面接のシミュレーションをするクラスなど、就職を意識した授業内容が組まれている。今春卒業した同校の就職希望者115人のうち、107人は内定を獲得したという。

 おもてなし専門学校の学生は皆、日本語学校の出身者だ。今年度入学した345人の内訳は群馬県内の系列の日本語学校から100人、残りは他府県で、沖縄からの入学者もいる。07年から外国人労働者問題を取材するジャーナリストの出井(いでい)康博さんはこう話す。

「15年には奄美大島、16年には佐渡島、17年には東京都奥多摩町に日本語学校、今年は岡山県瀬戸内市に外国人留学生をターゲットにした専門学校も開校した。瀬戸内は自分の生まれ故郷だが、カキの養殖現場や漁網を編んだり、田舎は田舎で人が足りない。廃校になった校舎の再利用や空き家対策もできるとあって、地域活性化という名のもと外国人留学生の受け入れが進んでいる」


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