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姜尚中「脱原発は叫ばれても、日米原子力協定の自動延長の議論は活発とは言えない」

連載「eyes 姜尚中」

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姜尚中AERA#姜尚中
姜尚中(カン・サンジュン)/1950年熊本市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了後、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、現在東京大学名誉教授・熊本県立劇場館長兼理事長。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍

姜尚中(カン・サンジュン)/1950年熊本市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了後、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、現在東京大学名誉教授・熊本県立劇場館長兼理事長。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍

脱原発は叫ばれても、日米原子力協定の自動延長の議論は活発とは言えない(※写真はイメージ)

脱原発は叫ばれても、日米原子力協定の自動延長の議論は活発とは言えない(※写真はイメージ)

 政治学者の姜尚中さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、政治学的視点からアプローチします。

*  *  *
 日米原子力協定が自動延長されました。この協定が初めて結ばれたのは1955年です。ちょうどこの年は、再統一された社会党と、保守合同による自由民主党を中心とする55年体制の成立と重なっています。日米原子力協定が戦後日本の政治体制の枠組みが出来上がる年と一致するのは偶然でしょうか。原子力の「平和利用」は被爆国という未曽有の存在に対する米国側の特別な配慮で、日本からすると恩恵でした。それが88年に改定されて、今日に至っています。

 日本が国内外に備蓄しているプルトニウムは約47トン。これは核兵器に直すと6千発分です。なぜプルトニウムの余剰が、これほどまでに膨れ上がっているのでしょうか。福島第一原発事故、高速増殖炉もんじゅの廃炉、進まぬプルサーマル発電など、日本の核燃料サイクル政策には様々な問題が重なっているにもかかわらず、プルトニウム削減に向けた具体的政策が進んでいるとは言えません。

 日本の余剰プルトニウムに米国当局も警戒の念を表しています。さらには北朝鮮が、増えるばかりの日本の余剰プルトニウムを非核化を渋る理由のひとつにしないとも限りません。


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