船戸容疑者と結愛ちゃんが暮らしていたアパート。最上階の真ん中が家族の部屋だった=東京都目黒区東が丘(撮影/澤田晃宏)
船戸容疑者と結愛ちゃんが暮らしていたアパート。最上階の真ん中が家族の部屋だった=東京都目黒区東が丘(撮影/澤田晃宏)
虐待の現場となったアパートの前には花束が手向けられていた=東京都目黒区東が丘(撮影/澤田晃宏)
虐待の現場となったアパートの前には花束が手向けられていた=東京都目黒区東が丘(撮影/澤田晃宏)

 朝食はスープのみ。昼食は茶碗に3分の1程度のご飯と味噌汁。晩御飯は茶碗半分程度のご飯。1日1食のときもあり、決まりごとを守らなかったときには水をかけられたり、殴られたりした。

【写真】虐待の現場となったアパートの前には花束が

 今年1月下旬ころから十分な食事が与えられず、3月2日に低栄養状態などで起きた肺炎による敗血症で死亡した疑いのある東京都目黒区の船戸結愛ちゃん(5)。警視庁は6月6日、傷害罪で起訴されている父親で無職の船戸雄大容疑者(33)を保護責任者遺棄致死の疑いで再逮捕。母親の優里容疑者(25)も同容疑で逮捕した。警視庁が明らかにした結愛ちゃんのノートには、悲痛な言葉がつづられていた。

「もうパパとママにいわれなくてもしっかりとじぶんからきょうよりもっともっとあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」

 結愛ちゃんは自ら目覚まし時計をセットし、毎朝4時に起き、雄大容疑者に命じられ、平仮名を書く練習をしていたという。

 香川県出身の雄大容疑者が東京に移り住んだのは、昨年の12月。雄大容疑者を追いかける形で優里容疑者と結愛ちゃん、そして雄大容疑者と優里容疑者の間に生まれた弟(1)が今年1月23日に転居し、家族4人の生活が始まった。

 自宅は若者に人気の東急線の最寄り駅から徒歩13分程度にある木造アパート。近隣の不動産関係者によれば、間取りは2DK(35平米)で家賃は8万5000円だという。

「築40年と古い木造アパートですが、人気エリアなので、家賃は相場程度でしょう」(不動産関係者)

 なぜ、東京にやってきたのか。雄大容疑者が昨年12月まで勤めていた食品会社の関係者はこう話す。

「雄大容疑者は当社で約1年半ほど働いていました。明るいキャラクターで、辞めると言ったときも、こちらは引きとめました。なぜ東京に行くのかと聞いたら、『家族の問題で東京に行かなければならない』と話していました」

 一方、東京の新居周辺ではこんな声が聞かれた。近隣の飲食店関係者はこう話す。

「メディア関係の仕事をするために以前勤めていた食品会社を辞めて東京にきたと話していた。子どもいるし、がんばらないといけないと」

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同じアパートに住む住民は……