金融機関の“あおり”にご用心 山崎元が指南「人生100年の運用術」 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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金融機関の“あおり”にご用心 山崎元が指南「人生100年の運用術」

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森田悦子AERA
経済評論家。マイベンチマーク代表。近著に『お金で損しないシンプルな真実』(朝日新聞出版)など(撮影/村越将浩)

経済評論家。マイベンチマーク代表。近著に『お金で損しないシンプルな真実』(朝日新聞出版)など(撮影/村越将浩)

 定年退職を迎えても人生はまだまだ続く。老後に備え資産をどう運用していけばいいのだろうか。経済評論家の山崎元さんに聞いた。

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「人生100年時代」というキーワードは、金融商品を薦めるためのキャッチフレーズにも利用されています。金融機関は老後の資金が不足することに対する顧客の不安をあおることがあるので、十分注意しましょう。

 資産運用の目的はお金を増やすことです。そのために、最も効率のよい方法で運用すればよいだけです。これは若者でも高齢者でも、お金の使い道がなんであっても、ましてや寿命が何年延びても変わりません。

 それなのに、余計な機能がついていたり、広告や営業担当者の人件費がたっぷり乗せられたりした金融商品を買っていては、とても効率的な運用などできません。

 たとえば頻繁に分配金を出すような投資信託が、高コスト商品の典型です。1千万円の投信を買って毎月3万円の分配金を受け取る場合、30万円程度が販売手数料として差し引かれ、毎年15万円程度の信託報酬が差し引かれているものが多くあります。高い手数料に加え、複利効果を損なううえ、分配のたびに税金を取られて、いいことは何もありません。

 リスクを抑えたり安定させたりするという金融商品も要注意です。多くは資金の一部を現金や国債など現在はほとんど利回りのない金融商品にあてています。運営管理の手数料はこの部分も含めた全体にかかるので、明らかに損です。

 こうしたコストを払わなくても、リスクは自分で調節できます。リスク資産を買う金額を少なくすればよいだけです。

 株などのリスク資産は多く持つほどリスクが高まり、減らすと低くできます。投資家は資産のどのぐらいをリスク資産で持つかを判断する必要があります。このとき「1千万円を3%で運用できれば毎年30万円増えて、年金を補完できる」といった、利益だけを考えた皮算用をしてはいけません。「最悪3分の1を失うかもしれないが、平均5%ぐらいの利回りがある」と仮定して、最悪の損失が出た場合に自分が耐えられるかどうか考えてみましょう。


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