北朝鮮“木造船漂着”の背景に「食の高級化」? 専門家が読み解く (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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北朝鮮“木造船漂着”の背景に「食の高級化」? 専門家が読み解く

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三村光弘AERA#北朝鮮

11月29日に北海道松前町沖で漂泊しているのが発見された木造船。乗組員10人のうち3人が12月9日、窃盗容疑で北海道警に逮捕された。捜査員らが船内から機器を取り出す (c)朝日新聞社

11月29日に北海道松前町沖で漂泊しているのが発見された木造船。乗組員10人のうち3人が12月9日、窃盗容疑で北海道警に逮捕された。捜査員らが船内から機器を取り出す (c)朝日新聞社

 一時は沈黙を守っていたものの、ここに来て、北朝鮮が動きを見せ始めた。背景には何があるのか。北朝鮮経済の専門家に寄稿していただいた。

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 北朝鮮経済の状況は、金正恩時代が本格的に始まった12年から若干のアップダウンはあるにせよ、継続してよくなってきているのが北朝鮮国民の実感ではないかと思う。北朝鮮は国内総生産(GDP)などの統計数値を発表していないが、対外貿易額や穀物生産の推計などからも、そのように見える。

 北朝鮮の食料事情は以前と比べると量的に改善傾向にある。全国民が白米を腹いっぱい食べられるレベルではないが、少なくとも大量の餓死者が出る時代とは全く異なる状況だと言える。

 現在、国民の「食の問題」の解決は、「どれだけのカロリーを提供できるか」という段階から、「タンパク質や脂肪、ビタミン、ミネラル類をどのように摂取するのか」に移行している。

 新しい解決策の一つが、水産業の振興だ。すでに13年頃から、「1年に300日は出漁する」という方針が示され、日本海が荒れる冬でも船を出すことが増えてきた。商品経済の浸透により、水産業においても単に国が規定する漁獲量を満たすだけではなく、船やエンジン、燃料に対する投資に見合うだけの収益を上げることも必要とされるようになっている。船倉が魚やイカでいっぱいになるまで、母港に帰ることができない事情を抱える船も多いのではないか。


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