「悪いものは悪いと言う努力が必要」米山隆一知事が語る“炎上発言”の真意 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「悪いものは悪いと言う努力が必要」米山隆一知事が語る“炎上発言”の真意

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米山隆一(よねやま・りゅういち)/1967年、新潟県生まれ。92年、東京大学医学部卒。97年、司法試験合格。2003年、米ハーバード大学付属マサチューセッツ総合病院研究員。11年、医療法人理事長、弁護士事務所代表。16年、新潟県知事に初当選。弁護士であり、医師(撮影/写真部・片山菜緒子)

米山隆一(よねやま・りゅういち)/1967年、新潟県生まれ。92年、東京大学医学部卒。97年、司法試験合格。2003年、米ハーバード大学付属マサチューセッツ総合病院研究員。11年、医療法人理事長、弁護士事務所代表。16年、新潟県知事に初当選。弁護士であり、医師(撮影/写真部・片山菜緒子)

 国会議員から「死ね」という言葉まで平然と吐き出されるSNSの言論空間。炎上覚悟で果敢に発信する米山隆一・新潟県知事に聞いた。

*  *  *
 原発再稼働を最大の争点として野党共闘で新潟県知事選に勝利した米山隆一知事(50)。しばしば炎上する「つぶやく知事」としても注目を集める。

──頻繁なツイートは公務に限らず、国政や政治家の発言にも及びます。

 自由主義、民主主義、人権の尊重、平和主義。それらを基盤に政治家は選挙で選ばれています。SNS上の言論空間が国民全体の雰囲気をつくるのに大きな影響力を発揮している。そこに耐えがたい論理矛盾や事実誤認、憎悪や民主主義に対する脅威があれば、民主主義国家の政治家の責務として、議論すべきだと思います。今どきの言葉で言えばいわゆる「右」といわれるような、偏狭な国家主義に向かう傾向に危機感を覚えます。

──米山知事のツイートが、しばしば「炎上」しています。

 炎上すると、逆にリベラル系の人から「ほうっておけ」「相手にすると品位が下がる」などと批判を受けることもあります。彼らは「自分たちが正しく、相手が悪いことは言わなくてもみんなわかっているはずだ」と思っている。

 ただ、それは間違いです。そうして悪意のある言論を放置した結果、明白に特定の対象に向けた憎悪を平然と示す言葉がSNS上にあふれるようになりました。それらのすべてを否定するわけではないが、悪意に満ちた言論を放置すれば、知らぬ間にそれが事実だと思う人が出てくる。黙っていても人が悪いものを悪いと判断してくれるわけではない。言論の自由を保つためには良識ある言論空間が必要であり、良識ある言論空間を保つためには、労力がかかっても悪いものは悪いと言う努力が必要だ。リベラル系の人はその努力を怠っているのではないか。

──怠っていますか。

 人間、どうしても感情的な主張のほうが簡単で、共感も得やすいでしょう。半面、論理的な議論は難しく、共感を得られにくい。だから何もしなければ、感情的な悪意が言論空間を支配してしまう。それを防ぎたいと思うなら、議論を怖がるべきではありません。相手の矛盾と事実誤認を指摘し、論理と事実に基づいて議論すべきだ。確かに炎上は非常に面倒で、放置したくなります。だが、放置してはいけないと思った人が議論しなければ、言論の自由は保てない。知事という立場にいる以上、発言には慎重であるべきことは自覚していますが、同時に一定の立場にある者が発言することの価値もある。言論の自由が守られる健全な言論空間を保つための一助になればという思いで、発言しています。


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