名ばかり「副業OK企業」の実態 社長から呼び出しに同僚からの嫉妬も (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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名ばかり「副業OK企業」の実態 社長から呼び出しに同僚からの嫉妬も

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羽根田真智AERA
副業を認める会社は確実に増えているが…(※写真はイメージ)

副業を認める会社は確実に増えているが…(※写真はイメージ)

 2017年は「副業元年」などと言われ、働き方改革の流れの中で、政府が企業に「副業容認」を訴える時代。副業を認める会社は確実に増えているが、「制度があっても使えない」のは今回も同様のようだ。

 栃木県在住の女性(36)は、ミシンを置くテーブルのわずかなスペースでつっぷして、朝を迎える日が珍しくない。

 IT関連会社に勤める傍ら洋服作りを副業にして5年。都内のデパートで年数回、作った洋服を販売するまでになった。年商100万円。充実した日々を送る一方で限界も感じている。

 朝7時に家を出て、帰宅は夜10時を過ぎることもザラだ。朝5時に家を出たり、帰宅が日付をまたいだりすることもある。必然的に洋服を作るのは「超早朝」か「超深夜」になるが、気合に体力がついていかないのが現実だ。いつの間にか眠ってしまい、休日に大車輪で副業に取り組む。その結果、また疲れが蓄積されるという悪循環。

 それでも、体力的な疲れは根性でなんとかカバーできる。つらいのは、周囲からの風当たりの強さだ。

 数年前、社長室に呼ばれた。副業のことが耳に入ったようで、「洋服作りはすごい才能だ」と切り出された。だが、「私が若い時には副業なんて考えられなかった」「本業に支障が出る」「クライアントに迷惑がかかる」と続き、最後には「本業に専念してほしい」。

「視野が広く海外にも精通している社長だったので、想像もしていない言葉でした」(女性)

 女性が勤めるこのIT企業も「副業OK」を謳(うた)う。相互によい影響が出ると考えているからこそ、副業を許しているんじゃないの、と複雑な気持ちになった。その場では「今後は本業に専念します」と伝えたが、いまももちろん、洋服作りを続けている。

 しかし、以前は社内でも堂々と配っていたデパート出店のDMを、信頼の置けるわずかな人に「内緒ね」と言いながらしか渡せなくなった。洋服の作家仲間にも、本業との両立について相談することはできない。以前、同じような境遇にあった仲間が、「片手間にやれていいわね」とやっかまれていたのを見ていたからだ。


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