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「常に命の危険感じる」世界で最も迫害されている少数民族・ロヒンギャの声

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木村元彦AERA

タイのミャンマー国境の町・メーソット(撮影/ジャーナリスト・木村元彦)

タイのミャンマー国境の町・メーソット(撮影/ジャーナリスト・木村元彦)

 国連で「世界で最も迫害されている少数民族」と報告されたロヒンギャ。群馬県館林市にあるコミュニティーの創設者をタイのミャンマー国境の町に訪ねた。

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 群馬県の館林市にロヒンギャのコミュニティーが存在する。ロヒンギャとは仏教の国ミャンマーのラカイン州北西部に住むムスリムのことで、1970年代からネウィン軍政権による迫害を受けてきた。82年に悪名高い市民権法が施行されると、ビルマ(当時)の市民権を剥奪されてしまう。一方的に無国籍者とされたロヒンギャの人々は難民となり、大量に国外に流出。一説には全人口約400万人中220万人が国を逃れたと言われている。

●紆余曲折経て日本に

 昨年10月にも大規模な軍事掃討作戦が展開され、国連人権高等弁務官事務所によって深刻な被害状況が報告されている。ノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチー氏の政権が誕生しても弾圧はやむどころか、父祖の土地を捨てざるをえない人は後を絶たない。逃れる先は主に隣国バングラデシュやタイ、イスラム教を国教とするマレーシアやサウジアラビアであるが、紆余曲折を経て日本に逃れてきた人々もおり、中でも館林には200人ほどのロヒンギャが居住している。

 現在では市内の公立中学校にも、通ってくる子弟のためにイスラム教のプレイルーム(祈りの部屋)が設置されたり、ラマダン(イスラム教の断食月)の時期には教師がロヒンギャの生徒に対して、早めの帰宅を許可したり、宗教儀式に対する配慮もしているという。館林にこのコミュニティーを最初に立ち上げた人物がタイのミャンマー国境の町メーソットにいるというのでその経緯を聞きに行った。

●常に命の危険感じる

 セリームウラさんは日本の永住権を取得した後、このメーソットを拠点にし、館林とを往復しながら貿易の仕事をしている。国境を案内してくれながらポツポツと語ってくれた。

「ここには500人ほどのロヒンギャが住んでいて14のモスクがあります。川の隅にたくさん物売りがいるでしょう? タイだと違反なのです。捕まるんですよ。でも、ここでは大丈夫。この川がゼロラインだから」


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