浜矩子「『トランプの目にも涙』の日は来るか」 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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浜矩子「『トランプの目にも涙』の日は来るか」

連載「eyes 浜矩子」

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浜矩子AERA#ドナルド・トランプ
トランプ氏の目に涙が浮かぶ日は来るのか? (※写真はイメージ)

トランプ氏の目に涙が浮かぶ日は来るのか? (※写真はイメージ)

 経済学者で同志社大学大学院教授の浜矩子さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、経済学的視点で切り込みます。

*  *  *
 鬼の目にも涙。大統領就任式に臨むトランプさんのことを考えていたら、この言葉がふと頭に浮かんだ。

 この人、誰かに似ている。なんとなくそう思っていた。それが、鬼さんだったことに、今、気がついた。トラの皮のパンツが、とてもよく似合いそうだ。角も絵になる。凶暴なイメージもぴったりだ。

 もっとも、本当の鬼さんたちは、必ずしも凶暴一辺倒ではない。日本の昔物語に登場する鬼たちには、どこか哀愁が漂う面がある。存外に律義でもある。概して、約束は守る。理に適う話には、きちんと納得する。妙に小ずるいようなところはない。

 かの「泣いた赤鬼」ほど気立てが良くなくても、日本古来の鬼さんたちは、結構、涙もろそうだ。そうした鬼的特性を、夢枕獏氏の「陰陽師」シリーズがよくとらえている。

 だが、トランプ鬼さんはどうか。トラ鬼さんは、言うことがコロコロ変わる。理不尽な腹の立て方をする。律義さとは、随分、縁が遠そうだ。間違っても、哀愁は漂わない。


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