爆食で日本危機、世界の食糧奪い合いに (2/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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爆食で日本危機、世界の食糧奪い合いに

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内山賢一AERA
1940年ごろの東京では、食糧増産のための「空き地利用」がさかんに行われた。
写真は麹町区役所(当時)近くにもうけられた畑。区役所に農具やバケツが備え付けられ、青年団や女子青年団が時間を見つけては耕した(c)朝日新聞社

1940年ごろの東京では、食糧増産のための「空き地利用」がさかんに行われた。 写真は麹町区役所(当時)近くにもうけられた畑。区役所に農具やバケツが備え付けられ、青年団や女子青年団が時間を見つけては耕した(c)朝日新聞社

日本の穀物自給率は先進国で一番低い(AEARA 2016年12月5日号より)

日本の穀物自給率は先進国で一番低い(AEARA 2016年12月5日号より)

「世界の穀物消費量は今世紀に入ってからほぼ前年を下回ることなく過去最高を記録し続けています。供給は増減産を繰り返しながら伸びてきているのに比べ、需要が均等に伸びている」

 農業は自然の影響を受ける。地球温暖化などにより、以前より生産リスクが高まり、供給の推移にバラツキが出てきた。これに対して需要が均等に伸びることで、何が起きているのか。

「穀物価格の変動リスクが非常に大きくなりました。最近でも3年連続の豊作を受け、穀物価格は急落。12~13年の値段からみると半値以下になりました。昔は低いレベルで循環的に動いていましたが、ダイナミックに上がったり下がったり。ますます不安定性を増して、今後需給にショックがあれば瞬間的にオーバーシュートする可能性も考えられます」(柴田氏)
 とはいえ楽観論もある。一般的には穀物1トンで年間6~7人を養うことができるとされ、穀物生産量は25億トンを超えたのだから150億人を養うことができる、と。しかし、この計算は直接穀物を食べた場合。環境問題に詳しいNPO法人ネットワーク「地球村」の高木善之代表はこう指摘する。

「世界の穀物生産量の半分は人間が食べるのではなく、豊かな人たちの食肉用の畜産の飼料に使われているのです」

●肉食文化が人類を圧迫

 中国やインドなど、新興国の経済が発展し、所得が増加したため食生活が豊かになり、肉食(畜産物消費)が増えているという状況が一般的な認識だ。飼料穀物の拡大の結果、全体の需要が均等に伸びているのだ。

「畜産物1キロの生産に、その何倍もの飼料穀物が使われます。牛肉なら11キロ。豚肉なら7キロ。鶏肉なら4キロの穀物が必要です。別の言い方をすると穀物の半分は余っているが、それを豊かな人たちが食肉にして食べてしまっているのです。世界に飽食の人は約20億いて、その一方、飢餓で苦しむ人が約10億いるとされています。毎日数万人の人が餓死しています。絶対量というより分配に問題があると感じます」(高木氏)


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