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「助かった」銀行員、出向に救われるケースも

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 ドラマをきっかけに注目されている銀行員の世界。ドラマでは懲罰出向なども描かれたが、一方で出向に救われるケースもあるようだ。

 銀行員は50歳前後で事実上定年となり、子会社や取引先に「片道切符」で出向する慣例があるが、これとは別に30~40代での出向もある。懲罰出向というよりはジョブローテーションの一環で、半沢が『ロスジェネの逆襲』で出向している関連の証券会社などは花形だ。

 メガバンクに勤めていた男性(45)は出向を言い渡された時、「助かった」と思った。バブル最盛期の1991年に入行し、本部で合併に伴うシステム統合を担当。「人よりもマーケットと付き合うのが性に合う」と調査部を希望したが、採用抑制のあおりで支店の営業に出された。

 主な仕事はバブルの後始末。財テクに失敗した社長は「銀行に騙された」と罵りながら高級車を乗り回し、男性は10万円単位の少額回収を黙々と進めた。上司からは新規開拓をせっつかれ、外でも中でも針のムシロ。半年で体重は10キロ落ちた。

 2社目の出向先のコンサルティング会社で経営企画にやりがいを感じ、転籍して銀行を去った。給料は2割減ったが、迷いはなかった。

「予想外の出向先で新たな自分に気づけた。出向でチャンスをもらい、救われました」

 森部好樹さん(64)は日本興業銀行(現・みずほ銀行)の香港支店副支店長などを務めた後、興銀証券に出向し、そこから取引先のビックカメラに出向した。畑違いの出向先でどうすれば歓迎してもらえるのか。以前の取引先の経営者に助言された。

「一番下積みから勉強させてもらうのがいいですよ」

 言われたとおり、店のジャンパーを着て呼び込みを始めた。現場は誰も、森部さんが取締役だと知らない。20代のアルバイトには「リストラおじさん」とあだ名された。

「3カ月間、真面目に呼び込みをしたことで信用してもらえ、子会社の経営を任された。適切なアドバイスをもらえたのは、興銀時代に長期融資を通して培った人脈のおかげです」

AERA 2013年11月4日号より抜粋


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