世界を席巻したBTS (GettyImages)
世界を席巻したBTS (GettyImages)
日本での人気が再燃したヒョンビン (GettyImages)
日本での人気が再燃したヒョンビン (GettyImages)

「2020年は映画『パラサイト 半地下の家族』のアカデミー賞4冠を皮切りに韓流ドラマ、K−POPと、韓国エンタメ人気に火が付いた年でした」

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 韓流ブームをこう振り返るのは「韓国TVドラマガイド」の高橋尚子編集チーフ。ネットフリックス配信の「愛の不時着」や「梨泰院クラス」などドラマが大ヒットした。

「2作のヒットを機に旧作も次々と配信されました。『梨泰院クラス』主演パク・ソジュンの旧作『キム秘書はいったい、なぜ?』は2年前の作品なのに人気トップ10入り。『愛の不時着』主演のヒョンビンは人気が再燃しました」(高橋チーフ)

 21年の注目ドラマは何か。高橋さんは1月からCSなどで放送、配信されるイ・ジュンギ主演の「悪の花(原題)」を挙げる。

「サスペンスだけど、夫婦愛を描いたロマンスでもある。イ・ジュンギ演じる夫の過去の謎が焦点になり、一気見したくなる作品です」

 音楽ではBTSが「Dynamite」で全米ビルボード1位を獲得。21年2月のグラミー賞の発表に期待が高まる。ポップカルチャーに詳しい武蔵大学非常勤講師の松谷創一郎さんが話す。

「20年は世界的に80年代テイストの音楽が人気でしたが、『Dynamite』はまさに80年代のディスコ音楽。BTSは13年のデビュー時にはギャングスター的なラップ、ブレーク時の15年には思春期の若者の心をつかむ楽曲と、時代やトレンドに合わせ柔軟に変化できるのが強みです」

 20年は、JO1、NiziUといった「日本版K−POP」グループも相次ぎデビューした。

「日本のアイドルは歌唱力よりパーソナリティーやコミュニケーション能力が求められ、親密な感情を寄せる対象。一方、K−POPアイドルは音楽とパフォーマンスに比重を置きつつ、オーディション番組でパーソナリティーを見せることでファンを引き付ける。JO1とNiziUはオーディション番組の延長でブレークしたが、21年は実力が試される年になるでしょう」(松谷さん)

(本誌・岩下明日香)

週刊朝日 2021年1月1‐8日合併号