■大場正明(映画評論家)


評価:★★★
実話に正攻法のリアリズムで迫るのではなく、ダークなコメディーの要素を盛り込む監督の発想がユニーク。一見、滑稽にしか見えない駆け引きの中から、複雑に絡み合い変化していく感情が浮かび上がってくるところが面白い。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★
70年代のストックホルムの再現はそう難しくないけど、車や服装、細かいアイテムが見事。犯人と人質の心の揺れ動きもわくわくします。なんかあったら犯人を惑わせようと昔から考えていたのは、きっとこれがあったから。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★
対象の事件は有名で、「ダイ・ハード」の台詞にも引用されているほど。シリアスな前作「ブルーに生まれついて」の監督・主演が再度組んだが、作風を変えて軽めのブラックコメディーに仕上げている。実力派キャストの競演が見どころ。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2020年11月20日号