友人の家に泊まりに行くようになったところから非行に走っていく。はじめは、欲しいものがあるのにお金がないからと、万引きをした。12歳でバイクを盗んだと明かす。

「原付の免許は16歳にならないと取れないから、盗むしかないじゃん、っていう発想だった。14歳の時、ノーヘルで走っていたら、お巡りさんに呼び止められて『お前初めてじゃねぇな』ってね。車も無免許で運転した。危うく私も刑務所へ行くところだった」
 
 14歳にしてイメクラで働きだすが、性病をうつされ、1カ月で店をクビになった。イメクラでは、学生服や体操着のコスチュームを身にまとい、客の相手をしていた。

「全身入れ墨のお客さんが来た時は、14歳だったからやっぱり怖かった」

 過去には、バタフライナイフを片手に持った交際相手の男性が家に押し入り、連れ出されそうになったことがあった。男性が家にある有り金をかき集めている隙に逃げ出した。そればかりでなく、援助交際をしていた相手に車で拉致されそうになった経験もあったという。

「いろいろ危ないことに手を出すから、いろんな目にあうのよ。自業自得なの」

 その後、スナックや「おさわりパブ」なども経験する。

 AVに出演するきっかけは、表参道でのスカウトだった。はじめは、スカウトマンから深夜番組に出演しないかと声をかけられた。事務所に付いていくと、グラビアとAVもあると提案された。夜の水商売より、AVの方が稼げると思った。入口は金だった。

「AVに出てるのに親御さんは何て言っているんだって、よく聞かれる。けど、昔からいろいろやってきたから、親は全く驚いてはいなかった。自分のことは自分でしろという家族。お金がなきゃ、自分の体を売ってでもいいから金にすりゃいいとね」

 AVの撮影は15時間に及ぶこともあり、心身ともに疲れ切るが、撮り終えるとジェットコースターに乗った後のような高揚感を得られると話す。今も現役だ。

「ピークの時より10分の1にギャラは減ったけど、今はお金じゃなくて、意地で続けている。需要があれば80歳までやりたい。おかしいかな? 倒れるまで、一生貫き通す気でいる」

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里美さんが一番傷ついた「悲しい別れ」