保釈された槇原敬之被告
保釈された槇原敬之被告
頭を下げる槇原敬之被告
頭を下げる槇原敬之被告

 覚醒剤取締法違反などの罪で起訴された歌手の槇原敬之被告(50)が3月6日夜、勾留されていた東京都港区の警視庁湾岸署から保釈された。東京地裁が同日、保釈を認める決定をし、保釈保証金500万円が即日納付された。

 警察からアナウンスがあったのは午後6時半ごろ。「午後7時ごろには玄関から出てきます。そこで何かを話すかどうかはわかりません。そして車に乗り込みます」

 その槇原被告は午後7時ごろ、正面玄関から出てきた。グレーのスーツ、白いワイシャツにネクタイを締め、眼鏡をかけたダンディーな格好。見守っていた約100人の報道陣に向かって、

「このたびは関係者のみなさま、そしてファンのみなさまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけしましたことをここに深くおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」

 とマイクなしのはっきりとした声で謝罪した。約10秒間、隣にいた関係者に促されるまでずっと頭を下げ続けた。

 当初、5日にも保釈されるのではないかという情報が乱れ飛んだ。テレビ局関係者は、6日になった理由についてこう推察する。

「薬物事犯は、家族や友人など周囲の人たちが本人に薬物に手を出させないというサポート態勢について、裁判所が保釈の判断材料とします。槇原被告は再犯なので、5日は見送られた。審査に時間がかかったのでしょう」

 また、こうも言う。

「当初から金曜(6日)夜の保釈であれば、翌日は土曜日でテレビのワイドショーがないからいいだろうということで、金曜の夜の保釈を選んだという説もあります」

 槇原被告は2018年3月と4月、東京都港区のマンションの一室で危険ドラッグのラッシュ64・2ミリリットルと覚醒剤0・083グラムを所持していたとされる。また、今年2月には、渋谷区の自宅からラッシュ3・5ミリリットルを所持していたとされる。

「槇原被告は一昨年の容疑についてはだいたい認めていますが、『最近は使っていないから体からは何も出ない』などと供述しているようです。言葉通り、尿鑑定では、陰性でした」(前出のテレビ局関係者)。

 報道陣の輪の中にいた芸能記者はこう話す。

「槇原被告は勾留中、作曲をしたそうだね。その曲を早く歌ってもらいたいもんだ」

 それにしても、東京湾岸署は芸能人の「御用達」の警察署になった。

「それはうちの署の前は広い舗道になっているし、報道陣が集まっても混乱しないからです。ここは住宅街ではないから、やじ馬の見学も少ない。女性の勾留施設もあります」(警察関係者)

 合成麻薬を所持していたとして、2月に麻薬取締法違反で執行猶予付きの有罪判決を受けた女優の沢尻エリカ被告も、東京湾岸署に勾留されていた。この時は地下駐車場から裏口へ出て、正面玄関で謝罪の言葉があるかもしれないとマイクを束ねて待っていた報道陣の前に姿を見せなかった。

 コカインを使ったとして、昨年6月に麻薬取締法違反で執行猶予付きの有罪判決を受けたミュージシャンのピエール瀧は、保釈の時、東京湾岸署前で「大変多くのみなさまにご迷惑とご心配をおかけしてまことに申し訳ありません」と謝罪した。

「そういう意味では、槇原被告の場合はピエールの謝罪に近かった」(前出の芸能記者)

 槇原被告は謝罪した後、車に乗り込んだ。その車を報道陣と思われるバイク数台が追いかけていった。(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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