会見で頭を下げる関電の八木誠元会長(左)と岩根茂樹社長(中央)=10月9日 (c)朝日新聞社
会見で頭を下げる関電の八木誠元会長(左)と岩根茂樹社長(中央)=10月9日 (c)朝日新聞社
故・森山栄治氏 (c)朝日新聞社
故・森山栄治氏 (c)朝日新聞社

 福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(故人)から、関西電力(関電)の幹部が約3億2千万円相当の金品を受領していた問題。現在、第三者委員会が調査を進めている。とかく「形ばかり」と言われることも多い第三者委だが、今回は「身内」ではない人物が委員長を務めることになった。果たしてどこまで原発マネーの闇に迫れるのか。

【写真】故・森山栄治氏

 関電といえば、これまで「関西検察」の牙城でもあった。10月の記者会見の際に関電が公表した「社内調査報告書」。調査委員長は、元大阪地検検事正の小林敬弁護士。社外監査役には、今年6月で退任したが、元検事総長の土肥孝治弁護士がついていた。現在も、元大阪高検検事長の佐々木茂夫弁護士が後を継ぐように社外監査役となっている。

 関電の元役員は振り返る。

「うちと関西検察の大物の先生の付き合いは、もうかなり古い、40年とか50年くらいじゃないか。社員だった時に幹部は『何かあった時の保険かな』『刑事事件になりそうなものは、最後は検察が判断する。だからお守り代わり』と言ってましたね」

 土肥氏が社外監査役に就任したのは2003年。15年以上も関電を「守って」きたのだ。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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