2018年の今年の漢字は「災」だった。2019年はどうなるか=2018年12月12日 (c)朝日新聞社
2018年の今年の漢字は「災」だった。2019年はどうなるか=2018年12月12日 (c)朝日新聞社
2019年の今年の漢字で最有力とみられるのが「令」(c)朝日新聞社 
2019年の今年の漢字で最有力とみられるのが「令」(c)朝日新聞社 
焼け落ちる首里城の正殿。火災が相次ぎ「火」のイメージも強い=10月31日、那覇市 (c)朝日新聞社
焼け落ちる首里城の正殿。火災が相次ぎ「火」のイメージも強い=10月31日、那覇市 (c)朝日新聞社

 2019年も残り1カ月あまり。毎年恒例の「今年の漢字」が12月12日に決まる。日本漢字能力検定協会(京都市)が、世相を表す一文字を募集しており、最多得票が今年の漢字として発表される。2018年は地震や豪雨被害などを受けて、「災」だった。

「10年、20年後に、2019年を振り返ると何を思い出すか。私なら新元号と台風の猛威、そしてラグビー・ワールドカップですね」

 こう話すのは、マーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさんだ。

 今年は元号が平成から令和へと代わった。台風15号は関東地方に強風被害を、台風19号は広範囲に水害をもたらした。国内初開催のラグビー・ワールドカップは、日本代表が史上初の8強入りした。

「それぞれ漢字一文字で表すなら、新元号は『令』、台風は『風』か『水』、ラグビーは『闘』。ラグビーは漢字では『闘球』ですから」(西川さん)

 応募はネットやはがきを通じて誰でもできる。昨年は19万3214票の応募のうち、「災」が2万858票を占めた。

 今年は西川さんの予想通り、「令」が得票を伸ばしそうだが、ほかにも候補はある。例えば「火」だ。36人が犠牲になった京都アニメーションの放火殺人事件や、正殿などが全焼した那覇市の首里城の火災のイメージは強い。

 昨年に続いて今年も災害が相次いだことから、「災」もあり得る。1995年から始まった今年の漢字で、2年続けて同じ字が続いたことはない。累計では「金」が3回、「災」が2回選ばれている。仮に今年も「災」になれば初の連続になる。

 今年は10月から消費税率が8%から10%に引き上げられた。前回、消費税率が5%から8%になった2014年の漢字は「税」。本来は今年も候補になりそうだが、前回よりもやや印象が弱いかもしれない。

「さきに述べた『風』や『水』、あるいは今年も『災』という人も多いでしょう。でもせっかくだから、ネガティブなイメージの漢字ではなく、望みを託すという意味でも、『令』であってほしいなと思いますね」(同)

 最終的には応募者の判断にかかっている。募集は12月5日に締め切られ、12日に京都市の清水寺で発表される。あなたの一文字はなんだろうか。
(本誌・緒方麦)
※週刊朝日オンライン限定記事