

漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「4分間のマリーゴールド」(TBS系 金曜22:00~)をウォッチした。
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救命における生死を分かつタイムリミットは、4分間。救急救命士・花巻みこと(福士蒼汰)は、手を重ねた人の「最期の瞬間」が視(み)える特殊能力を持つ。
ゆえに彼は気づいてしまった。愛する義姉(親同士が再婚)の沙羅(菜々緒)が、28歳の誕生日に亡くなるということを。
余命1年の義姉との禁断の恋、生と死に向き合うせつない愛の物語って言われてもな。今のところ「せつなさ」がまったく行方不明な本作なのだ。
まずヒロインが菜々緒ってだけで、はい死なない! だって菜々緒だ。映画「ターミネーター」に出てたでしょ?(出てません)
たとえ死んでも、直後にカッと目を見開き、ものすごい勢いで腹筋使って起き上がり、時速150キロで疾走してくる。それが菜々緒。
もちろん清楚(せいそ)でやさしさあふれるヒロインてことで、前髪も切ったし、つけまつ毛も控えめ。眉毛のラインだってなだらかだ。しかしその瞳の奥にある殺気。
もしも救命現場で、義弟・みことの上に鉄骨でも落下しようものなら、マッハのハイキックで蹴り飛ばす。そんなポテンシャルがみなぎっている。
そんな菜々緒に恋する福士。これがまた数分おきにチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」とツッコんでほしいくらい、ボーっとしている。