安倍内閣になってから、国民の中にも反対の多い重要法案、たとえば“特定秘密保護法”“安保法制”“共謀罪”“IR法”など、いずれも強行採決の連発である。野党とキチンと論議するつもりがないわけだ。
安倍内閣は、いってみれば野党を軽蔑しきっているのである。何をしても、野党に政権を奪われることはないと高をくくっているわけだ。
しかし、それ以上に大きいのは、自民党の議員たちが、みんな安倍首相のイエスマンになってしまっていることだ。以前ならば、執行部が強引なやり方をすると、反主流派が反対して、激しい論戦が起きた。だが、現在では反主流派なんてものはなく、論戦など起きようがない。
たとえば、森友・加計疑惑などで、国民の70%以上が内閣の対応に問題ありだとしているのに、自民党議員たちからは問題ありの意見はまったく出ていない。ひたすら安倍首相のご機嫌を損なうのを怖がっているのであろう。ということは、この国のために、何をすべきか、そしてどういうことはすべきでないかと、自民党議員たちが考えていない。つまり無責任なイエスマンになっているわけで、これは自民党の劣化ということになるのではないか。
※週刊朝日 2018年12月14日号
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