2016年に行われた、第8回AKB総選挙で選抜メンバーに選ばれた16人(撮影/佐々木洋輔) (c)朝日新聞社
2016年に行われた、第8回AKB総選挙で選抜メンバーに選ばれた16人(撮影/佐々木洋輔) (c)朝日新聞社

 5月30日に投票が開始された、今回で9回目となるAKB48選抜総選挙。

 31日、その投票速報が発表され、昨年は圏外だったNGT48の荻野由佳が過去最多得票数で暫定1位になるという、驚きの幕開けとなった。

 2位はSKE48の松井珠理奈、史上初の3連覇が期待され、今回も本命視されている指原莉乃(HKT48・STU48劇場支配人兼任)は、3位でのスタートとなった。

 1位の荻野をはじめ、5位に本間日陽、7位には高倉萌香と、4月にデビューシングルをリリースしたばかりの、新潟を拠点とする「NGT48」のメンバーの健闘が目立った。このNGTの躍進について、芸能評論家の三杉武さんは言う。

「毎年波乱含みの速報発表ですが、結成からCDデビューまで、地元・新潟を中心に地道な活動を重ねてきた成果が出ている印象です。速報1位の荻野由佳さんは、『チームNIII(エヌスリー)』の副キャプテンとしてグループをけん引する一方、『バイトAKB』という企画出身の苦労人でもあります」

 速報までの下馬評では、本命は指原、その3連覇にストップをかけようという対抗馬に、2014年1位・昨年2位の渡辺麻友(AKB48)、松井珠理奈、宮脇咲良(HKT48・AKB48兼任)らが有力視されていた。

「NGTが健闘したとはいえ、彼女たち選抜常連組はちゃんと上位に顔をのぞかせており(渡辺は4位、宮脇は8位)、のっけから実力を発揮していると言えます」(三杉さん)

 いっぽうで、総選挙に続く人気コンテンツだった「選抜じゃんけん大会」は、地上波では生中継から深夜録画放送となっている。上位メンバーが次々にいなくなることで、48グループ全体のパワーダウンを心配する声もある。三杉さんは言う。

「(AKBは)世代交代が遅々として進まず、選挙に強いSKEやHKTに比べて、肝心のAKB48本体が少し弱いイメージがあるかもしれません。しかし、昨年は、向井地美音さん、岡田奈々さん、高橋朱里さんらAKBのいわゆる次世代メンバーが上位に入り、選抜入りしていますので、今年から来年にかけて、グループの雰囲気もガラッと変わる気もします」

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