国の制度悪用 商工中金「不正融資」の巧妙手口 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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国の制度悪用 商工中金「不正融資」の巧妙手口

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商工中金

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 中小企業のための政府系金融機関──。そう自任する商工組合中央金庫(商工中金)で、国の制度を悪用した不正融資が横行していた。不正の数は判明分だけで221件。不正な融資額は100億円規模に上るとみられるが、今後の調査でさらに膨らむ見通しだ。

 半年に1度の支店長会議で、「割当」と呼ぶ数十ページの冊子が各支店長に配られる。本部が支店に与える数値目標で、職員らが不正に走った「動機」だとみられる。目標の一つに「危機対応業務」という、悪用された制度の項目がしっかり設けられていたからだ。

 危機対応業務は、自然災害や金融危機で資金繰りに困る中小企業に運転資金などを貸す制度。融資基準を満たせば利子の一部が国から支給され、融資が焦げ付いても原則損失の8割を国が補償してくれる。低金利でお金を借りられる企業にも、リスクが減らせる商工中金にもうまみがある。

 そんな公的制度での融資の拡大を、商工中金は「ノルマ」として営業現場に課していたのだ。営業経験が長い同社関係者が明かす。

「『割当』は達成できないと支店の成績が下がり、個人の賞与にも響くため、『ノルマ』と変わらない。営業職員一人ひとりにもノルマを割り当てるから、『危機』でもないのに無理に貸そうとするヤツがあちこちの支店で出てくるのです」

 2008年の制度開始以来、商工中金は危機対応で22万件、計12兆円を融資した。リーマン・ショックや東日本大震災の影響が去ると新規融資はさすがに漸減傾向となるが、それでも15年度だけで1兆円もの融資が実行された。

 不正の手口は、融資先の試算表や経営改善計画書などの財務資料の改ざんだ。前出・関係者が続ける。


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