「今回のことを、口頭で説明することは、ひじょうに困難です」とブログには書き込まれているが、今後、詳細はどのように伝えられるのか…… (c)朝日新聞社
「今回のことを、口頭で説明することは、ひじょうに困難です」とブログには書き込まれているが、今後、詳細はどのように伝えられるのか…… (c)朝日新聞社

 覚醒剤の陽性反応が出た液体は、尿ではなくお茶だった──。全国に衝撃を与えた逮捕劇は、誰もが首をかしげたくなるような、謎めいた結末を迎えた。

 2014年9月、覚醒剤取締法違反(所持、使用)などの罪に問われ、懲役3年執行猶予4年の有罪判決を受けた歌手のASKA(本名・宮崎重明)氏。今回は執行猶予中の逮捕だっただけに、「またか」と衝撃が走り、悲しんだファンも多かったに違いない。

 だが、「まさか」の展開である。東京地検の結論は嫌疑不十分で不起訴処分。ASKA氏は釈放された。鑑定した液体がASKA氏本人の尿であるとの立証が困難になったからだ。

 ASKA氏は自宅での採尿の際、あらかじめお茶が入ったスポイトを用意し、尿の代わりにそのお茶を入れたと、逮捕後、警視庁の捜査員に対し、説明するようになったという。

 任意提出の尿として、どうやってお茶を入れたのか。そこから、なぜ覚醒剤の陽性反応が出たのか。

 釈放されたASKA氏が書き込んだとみられる12月20日のブログには、

「尿を出してしまったら終わりだ。必ず、陽性にされてしまう」

 とあり、目の前のお茶を見て、仕事部屋に置いてあったスポイトを思い出したと、その経緯を記している。

 ただ、しばらくすると、同日付で、

「実は、陽性になったのには、ひとつの理由があるのです。科捜研に間違いはないと思います」

 と解説をブログに投稿している。

 そして22日の「尿とお茶」と題するブログには、

「僕にとって、思いつきであり、一瞬の大きな賭けでした。(中略)どちらにしても、覚せい剤が検出されるわけはないのですから」

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