脳卒中の後遺症「痙縮」へ働きかけるHANDS療法とは? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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脳卒中の後遺症「痙縮」へ働きかけるHANDS療法とは?

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週刊朝日#病気
HANDS療法とは?(※イメージ)

HANDS療法とは?(※イメージ)

 脳卒中の後遺症のひとつで、筋肉の緊張が高まり、手足がつっぱったり、曲がったりしてしまう痙縮(けいしゅく)。近年、重い痙縮にも効果的な治療法が登場している。

 脳梗塞や脳出血などを発症して、脳の血管が詰まったり細胞が壊死したりすると、後遺症が残ることがある。半身の手足の麻痺はその代表例だ。痙縮は、時間の経過とともに片麻痺と一緒に表れることが多い。

 脳卒中などで中枢神経が障害を受けると、筋肉が伸ばされたときに伸びすぎないようにする反射が強くなり、常に筋肉が緊張した状態を引き起こすことがある。筋肉の緊張が異常に上がると、自分の意思とは関係なく手足が勝手に動いてしまったり、筋肉がつっぱって手足が動かしにくくなったりする。これが痙縮だ。たいていは片麻痺と同じ側の手足に表れる。

 東海大学病院リハビリテーション科の藤原俊之医師はこう話す。

「患者は痙縮を起こした手足をだんだん動かさなくなります。すると手足を動かす筋肉の緊張が高まるため、さらに動かしにくくなってしまいます」

 強い反射を筋肉あるいは脊髄のどこかでコントロールすることができれば、重度な痙縮を和らげることができる。

 現在リハビリをはじめ、内服薬や筋肉へのボツリヌス注射など、さまざまな治療方法がある。

 神奈川県の田川和夫さん(仮名・42歳)は2011年に脳出血を発症し、右手足に麻痺が残った。福祉施設の調理師だった田川さんは、右手でものを握ったりつまんだりすることができなくなったため、左手だけでどうにか仕事を続けてきた。

 15年に藤原医師の診察を受けた際、右腕の筋肉がわずかに動くことがわかり、4週間、外来でHANDS療法を受けた。

 HANDS療法とは、「随意運動介助型電気刺激装置」と「手関節固定装具」の両方を1日8時間、3~4週間にわたって装着し、日常生活の中で手を動かす訓練を補助するものだ。

「随意運動介助型電気刺激装置」は、手を動かす筋肉がある皮膚の上に電極をつけ、患者が手を動かそうとしたときの筋肉の弱い活動を感知して、その活動に応じた電気刺激を与えて、筋肉の収縮を補助する。普通の電気刺激装置と違って、患者が麻痺した手を動かそうとしたときだけ電気刺激によって筋肉の収縮を補助するのが特徴だ。

 一方、「手関節固定装具」は、痙縮のある手を機能的によい位置に固定するもの。手の緊張を弱めて動かしやすくする。


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