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“野党共闘”は今回が出発点 民進議員が送った「苦悩と葛藤の日々」

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民進党・岡田代表 (c)朝日新聞社

民進党・岡田代表 (c)朝日新聞社

 改憲勢力に3分の2の議席を許し、結果だけ見れば今回の参院選は野党連合の大敗である。

 だが、民進党本部で10日深夜から始まった記者会見で、岡田克也代表の口から“敗戦の弁”は出なかった。

「正々堂々と安倍さんが憲法改正を掲げて論戦した結果であれば、われわれの力が足らなかったということだが、安倍さんは争点から逃げてしまった」

「ガチンコで戦って(3分の2を)取られたら敗北したということだろうが、逃げられて結局戦いになっていない。総理は堂々と議論すべきではなかったか」

 不完全燃焼。そのいら立ちが言葉の端々ににじんだ。

 与党側は参院選で憲法改正の争点化を意図的に避け、改憲をめぐる論戦を封じてきた。岡田氏は「争点になっていないのだから、改憲という話にはならないはず」と釘を刺したが、それは当然のことだろう。

 同党の山井和則衆院議員も厳しく批判する。

「安倍さんは国民をだましたのも同然です。作戦は大成功で、国民の信を得たとばかりに改憲へと一直線に突き進むつもりでいます。年金や国民の暮らしの向上などそっちのけで、任期中に本丸の9条改正の発議をしたいのが本音でしょう」

 安倍首相は参院選で「アベノミクスの是非を問う」と強調する一方で、アベノミクスは「道半ば」とも言い続けてきた。きわめて無体な“中間評価”を国民に強いたともいえる。争点が不明瞭だったことが、54.70%という前回参院選に次ぐ戦後4番目の低投票率につながったのか。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が解説する。

「アベノミクスに対する期待感が、まだ少し残っていたということだ。私はこの現象を“かば焼きのにおい論”と呼んでいる。かば焼きの煙を立てられ、おいしいうな丼が食べられると思って待っているが、いつまでたっても食べられない。そのうち、空腹で倒れる人が続出する。今後、アベノミクスへの期待感は次第にしぼんでいくだろう」

 安倍首相の争点隠しの選挙戦略が奏功した形だが、野党側は予想以上に善戦したのではないか。13年参院選では、民主党は17議席しか取れず、全国31の1人区では議席は0に終わった(野党系は2議席)。


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