昭和天皇に衝突し「失礼!」 司馬遼太郎と皇室の奇妙な縁 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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昭和天皇に衝突し「失礼!」 司馬遼太郎と皇室の奇妙な縁

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週刊朝日#皇室
1975年12月、皇居、二重橋を散策する昭和天皇と香淳皇后 (c)朝日新聞社 

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新装版 王城の護衛者

司馬遼太郎著

978-4062758338

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 説明を聞き終わった昭和天皇が、方向転換しようと、急に体の向きを変えた。

<そこに私が物体として立っていた。当然、ぶちあたった>

 突然のことによろけた司馬さん、おもわず、

「失礼!」

 といった。昭和天皇は左に90度の旋回運動中で、よろけることなく、表情の変化も見せなかった。次の陳列ケースの前で、今度は右に90度旋回したという。

<私には拝謁の経験はないが、衝突の経験はある>

 その後、司馬さんは拝謁の機会を得ることになる。40代半ばのころ、司馬夫妻は赤坂御苑の園遊会に招かれた。昭和天皇は司馬さんを見て、

「元気そうだね」

 と、声をかけた。

 夫人の福田みどりさんは『司馬さんは夢の中3』に書いている。

<白髪を御覧になっておっしゃったのだろうが、司馬さんは陛下に言ったのよ。

 僕、まだ、若いんですよ。

 陛下は黙って頷かれただけだった>

 さらには76年、『空海の風景』などで芸術院恩賜賞を受賞したときも昭和天皇に拝謁し、著作についてご説明している。

週刊朝日 2015年6月26日号より抜粋


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