今の時代に合った“新雑誌”創刊に向け動くホリエモンこと堀江貴文氏。現在の紙の雑誌と同じく、演劇なども昔の時代から取り残されていると指摘する。

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 ついに私がプロデュースする新雑誌が発売に向けて動き出した。秋ごろの発売を予定しているのだが、現在タイトルを考えているところだ。

 モバイルインターネット時代の新しい雑誌とネットの関係性を再定義する、インパクトのある名前にしようと考えている。そういう意味で既存の雑誌のネーミングは、わりと安易なところがあるんじゃないだろうか。たくさんある書籍の中から選んでもらうためには話題性や、ふと目につくための工夫が必要なのは間違いないだろう。

 表紙の撮影も先日敢行した。これも雑誌の大きなテーマであるバーチャルリアリティー(VR)をいい感じにフィーチャーした作りになっていると思う。某アイドルとの撮影&対談だったのだが、VRをテーマに意外に盛り上がったので、乞うご期待といったところだろうか。

 さて、先日は知人がプロデュースしている舞台を観劇してきた。劇場の規模としては150人程度の小劇場クラスである。まあまあ面白かったのだが、2時間ちょっとの上演時間は長すぎると思う。

 スマートフォンがこれだけ普及した時代、じっと席に座っての2時間はかなり苦痛になっていると思う。芝居の内容も観劇スタイルも、ここ20~30年全く変わっていないのは、紙の雑誌の業界なんかと同じで時代から取り残される危険性が高い。観劇でも歌舞伎や宝塚のように固定客がついて、その伝統的スタイルすらその世界の一部だと割り切って見ている世界ならまだしも、小劇場芝居はもともと友人知人の縁故チケット販売が主流だ。今後はもっと厳しくなっていくだろう。

 そこで現代に合ったスタイルとは何だろうかと考えてみた。まず2時間観劇するスタイルを見直すべきだろう。先日、私が観劇したTBSの赤坂サカスで開催された「フエルサ ブルータ」は約1時間で、しかも観客がずぶ濡れになったり出演者と一緒に踊ったりといろいろなインタラクティブ体験が用意されていた。これこそ一つの最先端スタイルの良い例だと思う。それでもプールが落ちてくるシーンがちょっと冗長に感じたくらい。

 例えばレストランや、ガールズバー、スナックなどを舞台にして、観客は飲食や会話を自由に楽しみながら、スマホもいじり放題という状況で、あえて公演のSNSアカウントにも登録させて、すべてを連携させながらキャストがサービスをする形式で芝居をするのはどうだろうか。

 そうすればむしろ、2時間でもじっくり楽しめるし、公演終了後に観劇の感想などを言い合いながらお酒を飲むなりすることも可能だ。飲食収入も得ることができる。平日、夜19時から公演したとしても飲食も一緒にできるので21時観劇終了後に終電の時間を気にしながら食事に行ったりすることもない。

 テーブルチャージだと思えば公演チケットの値段もあまり気にしなくなるというものだ。伝統的な世界もこういうふうに新しいアイデアで変わっていかなければならないと思う。

週刊朝日  2014年8月8日号