今回の都知事選を「細川護煕さんを支援して、反転攻勢の場にしたい」と息巻いていた民主党。ところが細川陣営からは「表に出ないでくれ」とくぎを刺され、最大の支持団体である連合東京(構成員106万人)は、なんと敵である舛添氏と、1月20日に政策協定を結んでしまった。

 もともと連合内は細川氏の名前が候補者として出てきた段階から「“投げ出し”のイメージから支援には消極的だった」(連合幹部)。

 また東電労組を抱え、「脱原発」を掲げる細川氏に乗りにくい土壌があった。

 空気を察した民主党内部では、「都連の会議で、東電労組出身の小林正夫参院議員から“脱原発”を掲げる石橋通宏参院議員まで、『絶対に連合と袂を分かつことはないように』と、松原仁都連会長に詰め寄っていました」(都連関係者)

 ところが松原氏は「東電との関係で連合は細川氏と政策協定が結べないんだよな……」と愚痴るばかり。そこへ連合東京に舛添氏から支援の要請が入る。

「連合東京が労組に賛否を問うたところ、舛添氏支援に賛成が3、7が自主投票を主張。3がどちらでもいいとのことだった。細川さんは政策を発表していないから乗れない、という理屈付けで、1月20日に正式に舛添氏と政策協定を結んだ」(前出の連合幹部)

 15日には「組織的勝手連」として細川氏を支援すると表明した民主党だが、自分たちの“足腰”である連合東京の存在が前提だった。

「最初は『三多摩地区は民主党にお願いするが、都心部は自分でやる』と言っていた細川選対ですが、やっぱり都心部も民主党にお願いしたいと松原さんにねじ込んできました。連合なしでどうやって支援するか、松原さんも苦慮しています」(前出の都連関係者)

 勝ち馬に乗りたいのはどこも一緒。自民党からは「連合がついていない民主党など怖くもなんともない。どう票を出してくるか見ものだ」(都連幹部)と高笑いが聞こえてきている。

週刊朝日 2014年2月7日号