2020年の東京五輪の開催が決定し、日経平均株価が上昇するなど経済界を中心に高揚ムードが日本列島を包んでいる。そんな中、芸能界でも機を見るに敏なタレントたちによる“五輪利権”の争奪戦が早くもヒートアップしている。

「和田アキ子さん(63)が番組で『開会式で国歌を歌いたい』と口にすれば、北島三郎さん(76)も『君が代を歌えと言われたら歌っちゃいます。声がかかれば何でもやる。日本代表として歌うよ』とノリノリです」(スポーツ紙芸能担当デスク)

 人気ロックバンド「X JAPAN」のYOSHIKI(47)も、最近は新作のソロアルバムの宣伝を兼ねてテレビなどに出演しては、五輪招致を称賛しまくっている。その「背景」を前出の芸能デスクはこう読む。

「YOSHIKIさんといえば、1999年に天皇陛下御即位10年の記念式典で奉祝曲を、05年には愛知万博の公式イメージソングを担当。昨年はゴールデングローブ賞のテーマ曲を手掛けるなど、“行事モノ”は十八番(おはこ)です。五輪関連の発言をすることで、粉をまいているのかもしれません」

 音楽業界の大御所が栄誉ある国歌独唱や五輪ソングに色気を見せる一方で、歌舞伎俳優の市川染五郎(40)が開会式参加を熱望し、お笑いコンビ「ナインティナイン」が中継番組の司会に意欲を示すなど、さまざまなジャンルから“参加”希望の声が上がっている。

 早くも派手な名前が挙がっているが、どんな開会式になるのか。五輪評論家の伊藤公(いさお)氏はこう推測する。

「ポール・マッカートニーが歌い、映画『007』のジェームズ・ボンドが空を飛んだ昨年のロンドン大会の豪華さを上回るのは難しい。福島の原発問題もあり、今までよりシンプルなものにならざるを得ないでしょう。日本らしさや、『おもてなし』『わびさび』の精神が感じられる演出になると思います」

週刊朝日  2013年10月4日号