■大手塾の宿題は「特盛りプレート」

安浪:そうなんです。算数も5年生はこの夏に比を利用する「速さ」や「平面図形」など、大事な分野が目白押しです。

矢萩:そもそも塾のテキストは難易度も量も、すごくできる子に合わせて作られています。変な話、「簡単すぎてもの足りない」「やることがなくなってしまった」といったクレームに繋がらないように作成されているんです。つまり、最初から大食いの人に「足りない」と言わせないために、特盛りのプレートが出されているようなもの。普通の人が全部食べるのは無理です。だからメインのおかず、つまり重要分野に絞ってやっていくことが大事で、あとは流してもいい。

安浪:同感です。5年生に関してはカリキュラムがどんどん進んでいくから、お盆前に積み残ってしまっても振り返らず、とにかくカリキュラムに乗っていくようにする。ただし、宿題は全部を完璧にしようとせず、重要な分野(※)にフォーカスをして、そこのみ積み残しを潰すのをお勧めします。まあ、子どもは基本的に積み残っているものに取り組むのを嫌がる傾向がありますが。

矢萩:ただ、重要分野の絞り込みや優先順位づけは、保護者には難しいところがあると思います。カリキュラムやテキストを見ると、フラットに網羅されているので分かりづらいんです。社会は比較的分かりやすくて、たとえば地理分野なら細かいデータを覚えるのは後回しでよいです。どうせ6年生になったら情報が更新されるので、その時に必要に応じて覚えれば大丈夫。5年生までは、地形による気候と盛んな産業の関連を大まかに捉えられていれば問題ありません。

安浪:理科・社会に関しては毎回小テストが課せられる塾もあって、その対策に時間を取られる、というお悩みもよく聞きます。その場合は、テスト対策の時間を何分と決めてやらせるといいと思います。テスト対策に1時間以上かける子もいれば、どうせムリと最初から投げ出して解答用紙を真っ白で出す子もいますが、そういった極端に陥らないための方法です。

NEXT親が塾の先生に聞くべきことは…
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