ナイジェリア出身のクラスメートがときどき大声で「シャラップ!」と言うのに戸惑っているというのは小学2年生の女の子。数多くの子ども向けライブを開催し、YouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」も大人気の小島よしおさんが子どもの悩みや疑問に答えるAERA dot.の本連載。「時間をかけて」という小島さんの思いとは?

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【よしおの答え】
 君は小学2年生にしてナイジェリアという国を知っているんだね!! よしおはまず、そのことにもうびっくり。なんせ、僕が小2のときなんて、ナイジェリアという国があることすら知らなかったからね。君はきっと物知りなんだろうな~。

 「シャラップ!」というのは、英語で「静かにして!」といった意味だよね。君は、その友だちに「シャラップ!」って言われても仲よくしているんだね。しかも「この子になんて伝えたらいいかな。どう接したらいいのかな」と、あきらめずによりよいコミュニケーション方法はないか考えようとしているね。「もういいや」とならずに友だちに向き合う君はとっても素敵。粘り強いし、忍耐力があるな、ってよしおは感動したよ。

■どうして「シャラップ!」と言うのかな?

 どうして友だちは「シャラップ!」って言うんだろう。これはよしおの想像だけど、その友だちは今、とっても大きな不安があるんじゃないかな? 日本という知らない土地に来て、言葉もあまり話せない。君や、周りのクラスメートが言っていることも全部わかるわけではないし、自分でも気持ちをうまく伝えられないのはとってももどかしいと思うんだ。

 「言葉がわからない」って、すごく不安だと思う。よしおがお笑いを始めたころ、知らない言葉がたくさんあって戸惑ったことがあったんだ。「照明きっかけでセリフです(照明がついたのを合図にセリフを言う、という意味)」とか「ここは暗転板付き、ここは明転飛び出しです(暗転板付きは「舞台が明るくなる前に舞台上で待機していること」、明転飛び出しは「舞台が明るくなったら舞台に出ること」)」とか。いわゆる「業界用語」ってやつだね。幸い、周りには同じ芸人仲間がいたし、「この言葉はどういう意味ですか?」って聞くこともできたからどうにかなったんだけど。いきなり言われてもなんのことか全然わからなくてすごく不安だったなあ。その友だちも「全然わかんないよ!」っていう不安が、「シャラップ!」っていう大きな声と言葉につながっているのかもしれないね。

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小島よしお
小島よしお

小島よしお(こじま・よしお)/1980年、沖縄生まれ千葉育ちのお笑い芸人。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。「そんなの関係ねぇ!」でブレーク。2020年4月からYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」で子どもの学習を支援する動画を公開。キッズコーディネーショントレーナーの資格を持ち、子ども向けのイベントを多数開催している。

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