中学受験といえば、小学3年の終わりから3年間進学塾に通って準備する必要があるとされていますが、ここ最近、そうした塾通いをしていなくても受験できる入試を実施する学校が増えてきました。従来の2科(国・算)や4科(国・算・理・社)の試験ではなく、「新タイプ入試」と呼ばれる入試です。得意な分野を生かせる入試もあるので、12月からでも中学受験にチャレンジできるかもしれません。

MENU ■打ち込んできたことをアピールする「プレゼン型入試」 ■必修化で増える? プログラミング入試 ■試験科目が一つだけの「1科型」

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 2021年度入試では、従来の2科・4科型ではない新タイプの入試を実施した学校は前年よりも3校増えて152校となり、志願者数も約1万4500人に達した(首都圏模試センター調べ)。新タイプ入試が増加した背景について、同センター取締役教育研究所長の北一成さんは、次のように話す。

「新タイプ入試は、100点満点から減点するのではなく、受験生の得意分野を見ていこうというプラス思考の入試です。これまでは評価軸として用いられていなかった多様な側面で、子どもの力を測っていこうとしている。予測不能な社会のなかで、一人の人間がいろいろなことをバランス良くできることより、異なる能力を持つ複数の人たちが協力して解決することが重視されるようになってきています。新タイプ入試が導入されている背景には、こうした社会の変化もあるようです」

■打ち込んできたことをアピールする「プレゼン型入試」

 新タイプ入試が登場した当初は、公立中高一貫校との併願を狙う「適性検査型」が主流だったが、年々バリエーションが増加。総合型、記述型、思考力型などのほか、「ものづくり思考力入試」(聖学院)、「PBL入試」(和洋九段女子)、「ナゾ解き入試」(藤村女子)、「ビブリオバトル入試」(聖和学院)などが登場している。

 多くの学校で取り入れ始めているのが、プレゼンテーション(自己アピール)型の入試だ。

「40校くらいが導入していると思います。『SDGsについて』など、テーマを設ける学校もありますが、ほとんどは『小学校時代に何に打ち込んできたか』、あるいは『これからがんばっていきたいこと』など、受験生に自由にプレゼンさせています」(北さん)

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柿崎明子
ライター 柿崎明子

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