プレゼン入試の準備にあたって、親子で小学校時代をふり返るなど、家族の絆を強める良い機会にもなっているという。
「プレゼン入試で入学した生徒は、『がんばったことを入試で認めてもらえた』と入学後も学校に対してポジティブな印象をもつため、学校の雰囲気にも良い影響が出ているようです」(北さん)
■必修化で増える? プログラミング入試
もう一つの注目が、プログラミング入試だ。プログラミング教材のScratchなどを使って作品をつくったり、作品を元にプレゼンしたりする。グループでディスカッションしながら、取り組ませる学校もある。まだ導入している学校は6~7校だが、小学校の新学習指導要領で20年度からプログラミング教育が必修化されたことから、今後増えそうだ。
芝浦工業大附属では、国語と算数で、読み上げられた問題文に対して解答するリスニング入試を導入。来年度は理科でも実施する予定だ。
安田教育研究所代表の安田理さんは言う。
「進学塾に行かなくても、子どもが得意なこと、あるいはずっと続けていることがあればチャンスはある。多様化しているので、あきらめないで子どもが持っている能力を生かせる入試を探してみましょう」
新タイプ入試とは別に、英語を入試に導入する学校も増えている。
20年度から小学校で英語が教科化され、5年生から評価の対象となった。22年度はそのときに5年生だった子どもたちが中学受験を迎える。
「徐々に増えてはいましたが、教科化をきっかけに入試に英語を加える学校が急増しました。我々は22年度が英語入試の解禁元年ととらえています」(北さん)
江戸川学園取手は22年度から、すべての入試で英語を必須科目にする。すべての入試に英語を取り入れるのは「おそらく日本で初めてではないか」と北さん。
英語入試を取り入れている多くの学校では、英語1科入試、試験科目で英語を選択、インタビューや対話などの形式で行っている。さらに英検など、外部試験の資格で加点する学校もある。
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