40代男性の告白「自殺を考えた」 ”コロナ後遺症”に悩む患者の深刻な現実 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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40代男性の告白「自殺を考えた」 ”コロナ後遺症”に悩む患者の深刻な現実

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電子顕微鏡で見た新型コロナウイルス=米国立アレルギー・感染症研究所提供

電子顕微鏡で見た新型コロナウイルス=米国立アレルギー・感染症研究所提供

 新型コロナの感染が拡大するなか、その後遺症について注目が集まっている。東海地方に住む山田たかしさん(仮名、40代)は、2020年4月に感染して数週間後に退院したが、体調は改善しなかった。体全体が不快感と倦怠感に覆われ、「感染前の生活を送れない」と話す。患者団体の「筋痛性脳脊髄炎の会」によるアンケートでは、約4割の人が「仕事(学校)に戻ることができない」と回答した。同法人の篠原三恵子理事長は「当時、PCRを受けられなかった人で後遺症を発症している人たちは、行政の補填から落とされてしまうのでは」と訴える。コロナ後遺症の患者たちに何が起こっているのか。各地に取材をした。

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 山田さんは退院後、10月にME(筋痛性脳脊髄炎)と診断を受けた。MEを発症すると、体に鉛をつけたような強い倦怠感に悩まされるという。

「動くと、息苦しさと疲れ、同時に皮膚のヒリヒリが続きます。3日間寝れない時もあって、ちょっと無理をすると、一日の最後にダメージがきてしまいます。自殺を何回も考えました」(山田さん)

 コロナに感染する前、山田さんは寺の住職、そして地域の自治会長として多忙な毎日をおくっていたという。

「感染前は毎日朝早くから夜遅くまで仕事していました。犬の散歩や体力作りのための筋トレが日課でしたが、いまは一切できません。少しでも体に負担がかかることをすると、その疲れと息苦しさ、皮膚の痛みが襲ってくるんです」

 山田さんは持病に気管支ぜんそくを患っていたが、そのときに感じた息苦しさは、これまでのものとは異なり、違和感がある”息苦しさ”を感じるものだったという。検査の結果、陽性反応が現れ、そのまま感染症指定医療機関へ入院した。

 幸いなことに、山田さんは重症化せず、検査結果は2回連続で陰性。3週間ほどで退院した。だが入院時と退院時の症状が変わっていなかったという。

「息苦しさはもちろん、37度前後の微熱が続き、目は充血したまま。加えて頭の奥がずっと痛かった。まさかこの状態で陰性になるとは思いませんでした。変わらない症状に不安を抱き、先生に質問すると、『大丈夫だ』と言われました」

 退院後、担当医から「1カ月ほど安静にして、外出を控えるように」と指示を受けたが、自身の症状に不安を抱き、2カ月の自粛生活を続けた。当時、買い物は友人や恋人、山田さんの姉がしてくれたが、自粛を終えた後も、山田さんに感染前の生活スタイルが戻ることはなかった。

「ヒリヒリ感といった肌の痛みと体全体に走る激痛、37度前後の微熱、鉛を付けられているかのような体のダルさ、熟睡ができないほどの睡眠障害、そして、記憶障害があります。物事をパッと思い出すことができず、考え事をしても頭の中が真っ白なんです」


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