・兄弟はやわらぎ喜び合うのがよい。

【解説】
 お答えします。3人のお子さんがいらっしゃるなんて素敵ですね。しかも男の子と女の子なんて! 年齢が離れた3人のお子さんたちを連れて外に出るだけでも大変だと思います。

「いろいろな体験をさせてあげられないこと」は、決してマイナスにはなりませんので、ご心配なく。13歳くらいまでに必要なことは、「さまざまな経験から何をどうやって吸収していくか」を自覚させることです。

「論語」には、こんな言葉が記されています。

「法語の言は、能く従う無からんや。之れを改むるを貴しと為す。巽与の言は、能く説ぶ無からんや。之れを繹ぬるを貴しと為す。説んで繹ねず、従うて改めざれば、吾れ之れを如何ともする末きのみ」(子罕第九)

 これは、孔子が「周りに流されるな! 自発的になれ、自覚的であれ!」と教えた言葉です。訳せば、次のようなものになるでしょう。

 権威ある言葉を聞くと、誰だって服従する気持ちになります。しかし、ただ服従するだけでは何もならないのであって、それによって自己を改革することが大切です。また、「あなたは素晴らしい人ですね」などと穏やかな言葉をかけられると、誰でもうれしくならずにはいられませんが、うれしがるだけでどこをどんなふうにほめてもらっているのかを、自分で玩味しなければならない、ということです。

 子どもは大きくなる過程でさまざまな体験をし、そこから自分に必要な教えを学びます。しかし、たくさんのことを経験できたとしても、それが本当に本人のためになるようにするためには、子ども自身の「自発性」や「自覚する力」が必要なのです。

 相談者さんは、お子さんがもう少し大きくなれば一緒に遠出できるようになりますから、今は焦らず、日々の小さな体験に対しお子さんが「どうして?」「なぜ?」という疑問を抱き、自発的・自覚的に行動できるような子育てを心がけてみてはいかがでしょうか。具体的には、一緒に料理をしたり、植物を育てて観察日記をつけてみたり。学校や保育園が終わってからの時間の使い方を、お子さんご自身に決めてもらうのもいいかもしれません。

 また、相談者さんは、友人家族をうらやましいと思わないようにしてみてくださいね。人をうらやむ気持ちは、嫉妬となり、暗い気持ちとして子どもにもいい影響を与えません。
 

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