孔子の教えをもうひとつ紹介したいと思います。それは、きょうだい関係についてです。姉弟3人、仲良くしていらっしゃるでしょうか?
孔子は、「どんな人をすぐれた人と言うのでしょう?」という弟子の問いに対し、「兄弟には、怡怡如たり」(子路第十三)と答えています。ここでの「兄弟」とは、姉と弟でも、兄と妹でも同じです。「怡怡」とは、「心が和らぐこと」を言います。きょうだいが、みんな仲むつまじく喜び合うということです。きょうだいげんかをすることもあるでしょうが、どんなことがあっても3人のお子さんの心がつながっていて、互いが互いをいたわり合う、助け合う気持ちを育むことが一番大切なのだと思います。
近所の公園に、一緒に行って遊べる時間こそ、大切にしてください。
【まとめ】
大切なのは「たくさんの経験」ではなく、経験から「自発的・自覚的」に学ぶこと。きょうだい仲良くしよう。
山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。大東文化大学教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『ステップアップ 0歳音読』(さくら舎)『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。母親向けの論語講座も。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。
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