パンサーの向井慧(C)朝日新聞社
パンサーの向井慧(C)朝日新聞社

 コロナショックを経て、さまざまな感染予防対策を講じながら再始動した感もあるお笑い業界において、昨今めきめきと頭角を現している芸人がパンサーの向井慧(34)だ。

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 2008年に養成所の先輩である尾形貴弘(43)、菅良太郎(38)とトリオを結成。若くしてテレビに出るチャンスをつかんだが、最近では個別の番組出演も多く、向井はさまざまな番組で“裏回し”的な立ち位置ができる芸人として重宝がられているという。数多くのバラエティ番組を掛け持つ放送作家はこう言う。

「パンサーのメンバーを個別に見ると、ドッキリを仕掛けたらその天然すぎるリアクションで破壊的な笑いの量を生み出す尾形さんのほうが目立っています。しかし、ジャンル問わず番組にハマるという意味では、向井さんの名前がキャスティング会議に出ることのほうが多い印象です。あの柔和な笑顔で番組のまとめ役もそつなくできますし、的確なツッコミで番組の裏回しもできる。言葉のチョイスがたくみというか、面白さを粒立てるセンスに優れている人だと思いますね。尾形さんとは9歳も離れており、最年少メンバーながらトリオのまとめ役をやっているので、間合いの取り方が非常にうまくなったのでしょう。まだ34歳なので、伸びシロは十分。男性からも女性からも好感度が相当高い」

 2015年の「よしもと男前ランキング」で1位を獲得したこともある向井だが、明治大学卒で、顔も頭脳も申し分なし。清潔感もあり、我の強いタイプではないのでお茶の間の好感度も高い。

「芸人仲間からの信頼も厚く、ニュースや情報番組など真面目な番組もこなせているので、これからさらに売れれば、極楽とんぼの加藤浩次さんやバナナンマンの設楽統さんのような『MCのできる芸人』になるのかもしれません」(前出の放送作家)

 柔和な笑顔と抜群の仕切り力で裏方スタッフから絶大な信頼を受けているようだが、そんなイメージとは裏腹に、先日出演した「あちこちオードリー」(テレビ東京)では、「毎日反省ノートをつけている。むちゃくちゃムカついたことを忘れないように」と、知られざる“闇の部分”が明らかとなった。

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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